“ルール解読”カードバトル『鏡のマジョリティア』PC向けに無料公開。主人公だけが、カードゲームのルールも単語も知らない

パルソニック氏は6月14日、『鏡のマジョリティア』をPC向けのフリーゲームとして公開した。同氏のBOOTHから無料でダウンロード可能となっている。

個人ゲーム開発者のパルソニック氏は6月14日、『鏡のマジョリティア』をPC向けのフリーゲームとして公開した。同氏のBOOTHから無料でダウンロード可能となっている。

『鏡のマジョリティア』は、カードゲームのルールや用語を推理してバトルに勝ち続ける、暗中模索カードゲームである。本作の舞台は、カードゲーム「マジョリティア(魔女の布陣)」が流行している世界。主人公のタイガは、「マジョリティア」について何も知らない少年だ。


母親や友達によると、タイガはマジョリティアが大好きで、いつもバトル用の機器を左腕に装着していた。さらに同作の無敗の強豪であり、一部では「ゴッドドローのタイガ」と呼ばれていたという。しかし作中の主人公は周囲の認識とは異なり、「マジョリティア」のルールや用語すらわからない。本作では何も知らない主人公が、周囲の認識を裏切らないようにマジョリティアで対戦。勝負どころではない状態で、勝ち続けることになる。ホビーアニメ風の世界で、ルールを解読する謎解きと試行錯誤のカードバトルが繰り広げられる。


主人公の日々は、マジョリティアの用語や略称だと思われる謎の単語で溢れている。本作の世界では、基本的には日本語が用いられている。しかし、「マジョリティア」に関する会話やカードテキストなどでは、専門の単語が多数登場。たとえばゴリダの使用するカード「愛の魔女」には、「ビッグバン:依依恋恋」や、オリジンが最初にサモンしたソウルがオブリビされずに4回のエンドフェイズを迎えることと記されている。主人公はもちろん、ゲームを始めたばかりのプレイヤーにも何が書かれているのかわからない。用語や略称によって会話の意味が理解できないシーンも多数待ち受けており、対戦どころではないが、ルールブックや用語集は確認できないようだ。


そこでプレイヤーは、マジョリティア用語の意味を推理していく。本作では、新たに登場したマジョリティア用語が画面右側の一覧へ自動的に登録される。用語一覧には、各用語にメモが入力でき、使われたシーンが確認可能。会話の流れやバトル中の状況などから単語の意味を推測し、マジョリティアのルールを解明するのだ。「マジョリティア」には、シャッフルやエンドフェイズなど、現実のカードゲームで用いられる単語も存在。ゲームプレイを進めると、対戦の流れや用語を整理し、答え合わせをしてくれる機能も登場する。日本語がベースである点も含めて、言語解読系の作品としては遊びやすい内容となっている。


また主人公は、ルールや用語を推理しながらカードバトルで戦う。主人公が「ゴッドドローのタイガ」と呼ばれているためか、対戦相手たちはそれぞれはっきりしたタクティスペラをもっており、漫然とプレイしていると負けてしまう。プレイヤーは、ロングスペラやビッグバンに注意しながら、わずかな勝ち筋を模索。アバター「鏡の魔女」の「ビッグバン:封魔封殺」を含めた多数のカードを活かして、勝利を目指していく。ゲームプレイの進行によって、サイドデッキなども登場。それぞれ対戦相手は強いため、ルールやプレイ方法をある程度把握したあとも、歯ごたえのあるカードバトルが展開される。そのほか世界はホビーアニメ風となっており、ストーリー上では熱いシーンも用意されている。本作ではわからないルールや単語の意味を推理していく謎解きや、限られたカードと展開から勝ち筋を探す試行錯誤などが、繰り広げられるわけだ。


本作は、パルソニック氏が制作している。過去作としては、KENZENなゲームと称されている『かわいいは壊せる』や『作文に乗って』、推理要素を含む『理不尽な魔物のヒナ』や『消えたリリーと呪いの館』など、多数の作品をフリーゲームとして公開している。

同氏のX(旧Twitter)アカウントによれば、本作は3か月半ほどで制作されたという。クリアまでの想定プレイ時間は、8時間から10時間ほど。ゲームの特性上、エンディングまでの難易度は高めとされている。


『鏡のマジョリティア』はPC向けのフリーゲームとして、BOOTHにて無料公開中だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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