人気戦略ゲーム『Armello(アルメロ)』開発元League of Geeks、“スタジオ閉鎖を避けるために”活動休止。経済状況悪化による苦渋の決断
デベロッパーのLeague of Geeksは6月12日、当面のあいだスタジオの活動を休止すると発表した。経済的な事情が理由とのこと。
同スタジオは、オーストラリア・メルボルンに拠点を置く2011年設立のインディースタジオだ。高い評価を獲得したターン制戦略ゲーム『Armello(アルメロ)』などを手がけたことで知られる。
League of Geeksは昨年12月、半数以上のスタッフの解雇を発表していた。現在Steamにて早期アクセス配信中のローグライト宇宙船コロニーシム『Jumplight Odyssey ~ジャンプライトの冒険~』の開発チーム全員が含まれ、同作を無期限開発停止にすることを報告していた。当時、豪ドル/米ドルの為替レートの悪化や同作の売上不振、業界全体での前例のない資金調達の機会減少といった理由が挙げられ、同作の運営コストを賄えないと説明された(関連記事)。
それから約6か月が経った6月12日、同スタジオは活動を当面休止することを、公式ブログおよび販売中の各タイトルのSteamストアページを通じて明らかにした。上述したような経済的に困難な状況が続いていることから決断したとのこと。活動“休止”としたのは、運営コストを削減しながら、販売中タイトルをプレイ可能な状態として維持させることが目的だそうだ。このまま変わらず開発・運営を続けていれば、スタジオを完全に閉鎖せざるを得なくなる可能性があり、それはユーザーやコミュニティに対し無責任であるとしている。
活動休止の期間については未定。いつ復活するのか、あるいは復活することになるのかどうかも分からないと率直に述べられている。また、スタッフは大部分が解雇されるようで、スタジオに残るスタッフはひとまず数か月間の休暇を取るとのこと。
なお当面活動休止とはなるものの、同スタジオが手がけた各タイトルの販売は今後も継続される。今回、各タイトルの今後の見通しについても報告された。まず、先述した『Jumplight Odyssey ~ジャンプライトの冒険~』に関しては、資金を調達できず開発停止の状況が続いているという。ただ、限られた手持ち資金にて開発を再開させる方針であり、今後12か月のいつかの時点で正式リリースする計画だそうだ。とはいえ、当初予定していたとおりのコンテンツは提供できないだろうとしている。
今年2月にリリースされたターン制政治戦略ゲーム『Solium Infernum』については、高い評価を獲得したものの、売上目標には達していないとのこと。そのため、バグ修正などのサポートは今後も長期的に提供されるが、さらなる追加コンテンツの開発は見込めない状況だそうだ。
同スタジオの代表作である『Armello(アルメロ)』については、2015年発売の作品ということもあってか、特に影響はなし。シーズンコンテンツのローテーションも、引き続き提供されるとのこと。なお、現在King of the Castle Gamesによって制作が進められているボードゲーム版『Armello: The Board Game』に関しても、スタジオ活動休止の影響はないと説明された。
今回の発表の最後にLeague of Geeksは、ゲーム開発は耐え難いほどに困難なものであるとしながらも、スタジオ内外で素晴らしい人たちと一緒に仕事ができ、価値ある毎日であったと振り返っている。
『Jumplight Odyssey ~ジャンプライトの冒険~』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中。『Solium Infernum』はPC(Steam)向けに配信中。そして『Armello(アルメロ)』はPC(Steam)/Nintendo Switch/PS4/iOS/Androidおよび海外Xbox One向けに配信中だ。