Sandfall Interactiveから6月10日に発表された『Clair Obscur: Expedition 33』。本作はターン制RPG、いわゆるJRPGのシステムを採用した作品であり、その点が多くのユーザーの注目を集めている。
『Clair Obscur: Expedition 33』は、遠征隊33が呪いの数字による死のサイクルに立ち向かう、リアルタイムアクションで進行するターン制RPGだ。本作の舞台は、ペイントレスなる存在が脅威となっている世界だ。ペイントレスは年に1度目を覚まし、描かれた年齢の人々が煙となって消え去ってしまう呪いの数字をモノリスに刻む。彼女の描く呪いの数字は年々小さくなっており、犠牲者の数は積み上がっていた。「33」の数字が描かれた年、主人公たち遠征隊33は死のサイクルを止めるため、ペイントレスを倒す旅に向かう。
本作の戦闘は、リアルタイムアクションを交えたターン制バトルとともに展開される。ギア/能力値/スキルなどの要素をもとに、プレイヤーはキャラクターを選び、特別な遠征隊を編成する。またバトル中には、リアルタイムで回避/パリィ/カウンターといったアクションも展開される。攻撃時にはチェーンコンボやフリーエイムによって弱点を狙う仕組みなども用意されている。
本作の発表にあわせて公開されたトレイラーでは、戦闘システムの紹介として、先述のターン制バトルについて明かされた。公開を受け、SNS上ではさっそくターン制で繰り広げられるバトルが「JRPG」らしいとして注目を集めているようだ。
近年ではRPGにおいてもターンベースよりアクションでの戦闘を採用するタイトルが多い。2024年にリリースされたものでは、『ファイナルファンタジーVII リバース』や『ドラゴンズドグマ2』といった作品などがそれにあたるだろう。
そんな「アクションRPG」が人気を集める一方で、「ターン制RPG」を熱望するユーザーも一定数存在していたとみられ、そうしたユーザーたちによって本作は広く話題になった模様。海外掲示板Redditにおいても、ターンベースの戦闘システムに言及するコメントは多い。また海外ゲーム開発者も本作に反応を見せた。アメリカのゲーム開発会社New Blood InteractiveのCEO、Dave Oshry氏も本作の発表を受け「目が覚めた」と反応。ソウルライクやアクションゲームだと思っていたら、ターン制RPGが突如公開された流れを受け、驚きを隠せないような投稿も散見される。
また海外スタジオがあえてターン制バトルのシステムを採用した、というのも注目を集めた理由の一つとなっていそうだ。ほかにもいわゆる“洋ゲー”によく見られるフォトリアルなアートスタイルと、JRPGのシステムの融合といった要素も注目されているようだ。
本作にターン制RPGのスタイルが用いられたのは、スタッフがそうしたJRPGのファンということも考えられそうだ。開発を手がけるSandfall Interactiveは、フランス・モンペリエに拠点を置くゲーム開発スタジオ。UbisoftでAAAタイトルのアソシエイトプロデューサーやナラティブリードを務めてきた、Guillaume Broche氏がCEO兼本作のクリエイティブディレクターを担当している。
Sandfall Interactiveの公式サイトでは、スタッフの好きなゲームが公開されている。なかでも、Guillaume氏は『ファイナルファンタジーVIII』や『ペルソナ3』などを好きなゲームとして挙げている。ほかにもCTO兼リードプログラマーを務めるTom Guillermin氏は『黄金の太陽』などをリストアップしているように、主要開発者の一部はターンベースで戦闘が繰り広げられるRPG、いわゆるJRPGを好きなゲームとして挙げている。こういった作品が、本作におけるインスパイア元となった可能性もあり得るだろう。
フランスのJRPG好きが多く集ったスタジオSandfall Interactiveによって開発された『Clair Obscur: Expedition 33』は、その美麗なアートスタイルや、ターン制バトルの採用によって大きな注目を集めている。加えて本作公式サイトのゲーム紹介でも「JRPGの進化系」と謳っている本作のバトルシステムは、バトル中の追加アクションや回避、パリィ、そしてフリーエイムなどといった要素も導入。プレイングにおける戦闘の幅も広く確保しているようだ。そんな本作は同スタジオの手がけるデビュー作ということで、今後の情報公開も注目されるところだろう。
『Clair Obscur: Expedition 33』は、PlayStation 5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Epic Gamesストア)向けに2025年発売予定。Xbox Game Passにも対応予定となっている。