PS5/Xbox版『VALORANT』は「ジャイロ機能」に対応しないと開発者が明言。ハード間で公平性を保つため

 

先日Xbox Series X|S/PS5向けへの展開が発表された『VALORANT』。コンソール版がリリースされるにあたり、コントローラーの「ジャイロ機能」を使用できるかどうかを気にするユーザーもいるようだ。しかし本作のプロダクトマネージャーによれば、ジャイロ機能はサポートしないとのことだ。

『VALORANT』はRiot Gamesが開発/運営を手がける基本プレイ無料FPSで、現時点ではPC向けに展開されている。ゲームでは5人1組のチームで戦う。アタッカー側はスパイクと呼ばれるアイテムをマップの指定されたエリア内に設置し、爆発までの時間防衛する。一方でディフェンダー側は、設置もしくは爆発を阻止することを目的とする。


Riot Gamesは6月8日、Xbox Series X|S/PS5向けにも本作を展開することを発表した。ちなみにコンソール版では、Xbox/PS5間でのクロスプレイには対応しているものの、PCとのクロスプレイには対応していない。とはいえ、PC版でアカウントをもっているプレイヤーは、コンソール版と進度を共有することができる。またコンソール版では、腰撃ち時の感度を変更できるエイムモード「フォーカス」や、エイムアシストが存在するといった、独自の仕様が存在しているようだ(FISTBUMP)。

そんなコンソール版『VALORANT』について、ジャイロ機能に対応するのかどうかが気になるユーザーもいるようだ。『スプラトゥーン』シリーズや『フォートナイト』、『THE FINALS』などコントローラーの公式サポートがあるFPSやTPSにおいては、コントローラーのジャイロ操作機能に対応している作品も存在。スティックのみを使って狙いを定めるよりジャイロ操作を組み合わせたりジャイロ操作のみを用いる方が、細かなエイムがしやすいとする見方もある。新たにリリースされる『VALORANT』コンソール版でも、ジャイロ操作を使えるかどうかは注目点のひとつとなったようだ。


一方、本作のプロダクトマネージャーを務めるAltombreことColeman Palm氏は、そうした質問に対し、「コンソール版ではジャイロ機能はサポートしない」と返答している。同氏は、この理由について、Xboxのコントローラーがジャイロ機能に非対応であることを挙げた。Xbox Series X|Sで使用できる純正のコントローラーは、ジャイロセンサーが内蔵されておらず、ジャイロ機能を使用することができない。そのため、ジャイロ機能をコンソール版でサポートしてもPS5版ユーザーしか利用できない機能となり、XboxとPS5の間に差が生まれてしまうわけだ。Coleman氏はそうした“ハード格差”を避けたいという意図があったと回答している。


なおColeman氏は、シューター作品におけるジャイロ操作自体には肯定的な見方を伝えている。スティックを用いずジャイロのみでエイムする機能や、スティックを身体の向きの移動に利用する「フリックスティック機能」を例にあげ、素晴らしい技術(Gyro tech is cool)として評価している。両方のハードで公式にジャイロ操作を使える状況が実現すれば、実装も検討されるかもしれない。

いずれにせよ、ついにコンソール向けにもリリースされる『VALORANT』ながら、少なくともリリース時点ではジャイロ機能はサポートされないようだ。この背景には高い競技性を備えている本作において、できる限り“公平性”を保とうとする方針もある様子。一方で、本作ではコンソール版独自の機能「フォーカスモード」の存在により、状況に応じてエイム感度の変更が可能。スティックによるエイムの速度が決められるエイム曲線の設定やエイムアシストも存在しており、コントローラーでも“プレイしやすくなる”配慮もおこなわれているかたちだ。

『VALORANT』はPC向けに基本プレイ無料にて配信中。Xbox Series X|S/PS5版は現在開発中で、6月15日5時より開催されるリミテッドベータの登録を受け付けている。