『Dead by Daylight』開発元、従業員最大95名を削減へ。ゲーム業界の競争のあおりを受けて、2年連続でレイオフに踏み切る
『Dead by Daylight』開発元として知られるBehaviour Interactiveは現地時間6月4日、最大95人の従業員をレイオフする方針を発表した。うちの70人は同社の拠点であるカナダ・モントリオールで働くスタッフとのこと。海外メディアPC Gamerが報じている。
『Dead by Daylight』は、1人のキラーと4人のサバイバーに分かれて対戦する非対称型マルチプレイホラーゲーム。サバイバー側のプレイヤーは、マップ内に点在する発電機を修理し、ゲートを開いて脱出することが目標。一方のキラーとなったプレイヤーは、生存者の痕跡を追い脱出を阻止することを目指す。
本作は2016年6月にPC版がリリースされ、現在はPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに展開中。現在にいたるまで数々の大型アップデートが実施されており、外部サイトのSteamDBによると、本稿執筆時点でSteam版の同時接続者数は約3万人を記録。過去一週間の間でもピーク時には5万人以上のプレイヤー人数を記録するなど、根強い人気を誇っているタイトルだ。
Behaviour Interactiveが現地時間6月4日に発表したプレスリリースによると、『Dead by Daylight』は2016年のリリース以来、のべ6000万人以上のプレイヤーに遊ばれているという。本作の大きな成功を受けて、わずか5年間で従業員数を575人から1300人へと増加させるなど、事業は急成長を遂げたとのこと。しかし同社が「かつて経験したことがない(unprecedented)」と表現する激しいゲーム業界内の競争にさらされる中で、生産、事業開発、マーケティング戦略のリソースなど経営戦略を見直し。結果、同社は最大95 人の従業員を削減する予定であると発表している。今回レイオフの対象となる95人のうち、70 人は同社の本拠地である、カナダ・モントリオールで働くスタッフとのことだ。
Behaviour Interactiveは2024年1月にも、モントリオールで働くスタッフを45名レイオフしたことを海外メディアのKotakuが伝えている。今回の発表を踏まえると、同社は昨年に引き続き、従業員のレイオフの実施をしているかたちとなるようだ。
なお同社はプレスリリースの中で、今回のレイオフが『Dead by Daylight』の開発、及び現在サービス中の事業に影響することはないと述べている。これらの中には同社の開発している『Meet Your Maker』や、『Dead by Daylight』の世界を舞台としたスピンオフホラーゲーム『The Casting of Frank Stone』といったタイトルも含まれているのだろう。またレイオフの対象となった従業員はそれぞれ Behaviour に貴重な貢献をしていたと述べており、同社は彼らのキャリアの次のステップの全面的なサポートも表明している。
ゲーム業界においては欧米の企業を中心に従業員のレイオフが相次いで実施されており、Activision BlizzardやElectronic Artsといった大手企業・傘下スタジオでのレイオフも後を絶たない状況だ。Behaviour Interactiveのような急成長を遂げているスタジオにとってもそれは例外ではなく、同社で繰り返されるレイオフもその煽りを受けたかたちとなるのだろう。