竜と人間の物語を見届けるADV『黒き竜と黄昏の書[Failed]』フリーゲームとして公開。愛と死とそして憎悪が描かれる、ゲームブック風ダークファンタジーノベル

空想の工房は6月4日、『黒き竜と黄昏の書[Failed]』をフリーゲームとして公開した。フリーゲーム夢現およびノベルゲームコレクションからプレイ可能。

個人創作サークル空想の工房は6月4日、『黒き竜と黄昏の書[Failed]』をフリーゲームとして公開した。PCではフリーゲーム夢現およびノベルゲームコレクションからプレイ可能。スマホからでもプレイ可能であるものの、PCでのプレイが推奨されている。

『黒き竜と黄昏の書[Failed]』は、竜殺しと黒炎竜にまつわる物語の結末を見届ける、ゲームブック風のファンタジーノベルゲームである。本作の舞台は、竜と人間が敵対関係にある世界だ。1年前、迷いの大森林と呼ばれる未踏地の秘匿が破れ、奥地に潜んでいた黒炎竜が多くの探検者を殺した。大森林は人間の生存区域になる可能性があり、奥地には病の特効薬となる植物も自生している。竜は一匹たりとも活かしておくべきではなく、また大森林を竜に独占されるのはあまりに痛い。そこで、竜殺しに黒炎竜の退治を依頼することになったようだ。


本作のメインキャラクターである竜殺しは、人類の敵たる竜を殺すべく、迷いの大森林へ向かう。しかし、竜殺しが燃え盛る赤い森を進み、黒炎竜との死闘を始めようとした瞬間、気がつくと穏やかな森の中へとやってきていた。竜と人間にまつわる、血に塗れた愛の物語が描かれる。


竜殺しと黒炎竜の物語は、登場人物の過去や探索要素をまじえて展開されていく。本作は基本的には1本道のファンタジーノベルゲームとなっている。シーンによっては、周囲の状況を調べたり、画面上をクリックする要素も登場。探索要素をまじえながら、ストーリーが描かれるのだ。また本作には、イラストがスチル/背景絵などをあわせて100枚以上用いられている。ゲームブック風のシーンやオリジナル楽曲なども存在。竜と人間の愛と死と憎しみにまみれたストーリーが、豊富なイラストによってしっかり表現されている。公称プレイ時間は2時間から3時間程度。要所要所には小ネタも用意されているそうだ。


本作を手がけているのは、薙沢ムニン氏による個人創作サークル空想の工房だ。過去作としては、『機械仕掛けのマーセネリア』や『▼スライム娘は人間と友達になりたいようだ』など、多数のノベルゲーム作品をフリーゲームとして公開してきた。本作においては、2023年9月頃から制作がスタート。イベント「東京ゲームダンジョン5」への出展などを経て、制作が進められてきた。

同氏によるpixivFANBOX内の記事によると、本作には同氏によって大事なキャラクターたちが登場し、これまでで最長の制作期間がかけられているなど、気合の入った作品となっているようだ。


『黒き竜と黄昏の書[Failed]』は、PC向けにフリーゲーム夢現およびノベルゲームコレクションにて公開中。ノベルゲームコレクションでは、スマートフォンからもプレイ可能となっている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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