『Fallout: New Vegas』のとあるキャラの帽子が、“悪ノリ非公式Mod連発”で奇天烈状態にされる。すごく小さい・でかい・人間そのものを被るなどカオス
『Fallout: New Vegas』にて、とある非公式Modの登場を引き金に、笑いを誘われる奇妙な非公式Modが次々生まれているという。そうした一連の“変なMod”がコミュニティの注目を集めている。
『Fallout: New Vegas』は『Fallout』シリーズ4作目として、2010年10月に発売されたRPGだ(国内コンソール向けには2010年11月発売)。舞台となるのは核戦争後のアメリカ南西部「モハビ・ウェイストランド」。戦前のラスベガスを中心とする地域であり、ラスベガスはニューベガスと名を変えたものの、ウェイストランドの歓楽街として栄えていた。
本作の主人公は、ある物をニューベガスに届ける任務を与えられた運び屋。しかしあと一息で謎の男たちに襲われ、荷物を奪われて瀕死の重傷を負ってしまう。田舎町グッドスプリングスの医師に助けられた主人公は、勢力争いの只中にあるモハビ・ウェイストランドを放浪することになる。
今年で発売後14周年を迎える本作ながら、ほかの『Fallout』シリーズ作品の例にもれずModコミュニティが今なお賑わいを見せているタイトルだ。アセット(3Dモデルなど)を高品質のモデルに置き換えるModや、新たな武装やクエストを追加するModなど、さまざまな非公式Modが展開されている。
一方で、なかには笑いを誘う“変なMod”も数多く存在するという。なかでもXユーザーのElizabeth DeLoria氏は「『Fallout: New Vegas』のMod制作者は地球でもっとも面白い人たちだ」として、4つのModを紹介。Mod制作者たちの“悪ノリ”が発展していった様子がうかがえる、奇妙なModが大きな注目を集めている。
“悪ノリ”の発端とみられるのは、今年の日本時間5月29日にNexus Modsにて投稿された非公式Mod「Daniel’s Hat Refitted」だ。本Modでは、本作のDLC「Honest Hearts」に登場するダニエルの頭装備である「ダニエルの帽子」のサイズが調整。ダニエルの帽子はキャラの頭のサイズよりも大きめのグラフィックになっており、入手してプレイヤーキャラが装備した場合も含めて不格好な着こなしを避けられなかった。「Daniel’s Hat Refitted」ではこの問題を解消し、帽子のサイズがキャラにフィットするようになっているそうだ。
そして「Daniel’s Hat Refitted」を投稿したユーザーのSoullessToast氏は、明くる5月30日に別のMod「Daniel’s Hat Unfitting」を投稿。こちらはなぜかダニエルの帽子をキャラの頭よりも小さくしてしまうModだ。ダニエルの帽子がミニサイズとなり、キャラの頭頂部にちょこんと乗っかる。せっかくダニエルの帽子がピッタリサイズになるModを用意したうえで、わざわざ続けてジョークModが投じられたかたち。
これを面白がってか、ほかのMod投稿者もダニエルの帽子改変Modを続々投稿。帽子がやたらとデカくなる「Daniel’s Hat Unfitted」や帽子を仮面のように頭ではなく顔に被る「Daniel’s Hat Remasked」など、摩訶不思議なModがさまざま登場している。中には帽子ですらなくなり、帽子をダニエルの服を着た体のモデルに置き換える「Daniel’s Hat ReDanieled」なるModも存在する。Mod制作者たちにとって格好の“大喜利”の機会になったようだ。この点にはReddit上の『Fallout』シリーズのModコミュニティからも注目が集まっている。
このほか先述のDeLoria氏の投稿へのリプライでは、ユーザーらが笑えるModをさまざま紹介。ベニーの顔をなぜか巨大化させる「Benny Face Embiggerer」や、イージー・ピート(Easy Pete)をムキムキマッチョに変える「Difficullt Pete the mod the movie the video game」など多彩なModが挙げられている。ちなみにイージー・ピートは本作のコミュニティの一部から一風変わった愛され方をしており、Nexus Modsにはイージー・ピートにまつわる複数の非公式Modが存在。過去に人気ストリーマーのJerma985氏が、配信中にコンソールコマンドにて“10人のイージー・ピート”を召喚してしまうシュールなハプニングが発生したことが、妙な人気に繋がっているようだ。
*一部グロテスクな表現が含まれるため視聴には留意されたい
ちなみに『Fallout 4』でも奇妙な非公式Modはさまざま存在。たとえばプレストン・ガービーの「ともあれ、雨は降ってない」とのセリフと共に雨が降り出すようになる「Preston Garvey Makes it Rain(literally)」や、飛行船プリドゥエンをそのままのサイズで近接武器にしてしまう「Prydwen – Melee Weapon (Oh yes I did)」など多彩な非公式Modが配信されている。根強い賑わいを見せる『Fallout』シリーズのModコミュニティでは、ネットミームや突拍子もない思い付きなど、さまざまな背景から変な非公式Modが多彩に制作されてきたようだ。
なお今年4月に実写ドラマ「フォールアウト」がAmazon Prime Videoにて配信されたことで、ゲームシリーズのプレイヤーが大幅な増加を見せており、各シリーズ作品のModコミュニティにも賑わいをもたらしたことだろう。今回は今年で発売後14周年を迎える『Fallout: New Vegas』でも、Mod制作者間で新たに“大喜利”のような賑わいが巻き起こったかたちだ。