魔女裁判乙女ゲーム『even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女』全世界で3万本売れていた。英語圏でも「かなり売れている」麗し男子ダーク推理ファンタジー


5月29日、株式会社ボルテージはNintendo Switch向けに発売した乙女ゲーム『even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女』の全世界販売本数が3万本を突破したことを発表した。あわせて現在開発中の新作の英語版も開発を開始、発売予定であることを発表している。

本作は、“魔女裁判”“死に戻り”がテーマのダークファンタジーテキストアドベンチャーゲーム。舞台となるのは魔女裁判、魔女狩りが慣習とされる世界だ。主人公であるアナスタシア(主人公の名前は変更可能)は信頼する者の裏切りにより、生きたままその身を業火に焼かれ非業の死を遂げることとなる。しかし炎の中で聞こえた魔女の囁きにより“死に戻り”の能力に目覚める。しかしその蘇りは、新たな絶望の始まりに過ぎなかった。


本作の物語では魔女に道徳心を蝕まれた「魔女の道化」による殺人事件が描かれる。ゲームプレイには罪を犯した者を探る捜査パート、罪人を糾弾する裁判パートが存在。操作パートでは事件にまつわる情報を収集し、裁判のための武器を集めることになる。裁判パートでは集めた情報を武器に、5人の被告人から犯人を見つけ出す必要がある。裁判で犯人を見つけることができなければ、次の夜に悲劇が繰り返されることになるようだ。

物語では運命を二分する赤い薔薇、黒い薔薇が存在。物語の中で選んだ選択肢によっては赤く染まることも、黒く沈むこともあるという。どちらの薔薇を多く咲かせたかによって物語の結末が異なるマルチエンディングとなっている。チャートジャンプ機能も存在しており、一度開放した章にはいつでもジャンプ可能。物語の中で何度も死に戻りとループを繰り返しながら、己の望む結末のため裁判を戦い抜くことになる。


また本作では4人のメインキャラクターが登場し、石川界人氏、古川慎氏、杉山紀彰氏、武内駿輔氏が声優を務めている。シナリオは『ノルン+ノネット』シリーズを代表作とする潮文音氏が担当。豪華声優陣によるボイスで描かれる、実力派クリエイター陣によって作り上げられた美麗な世界観や重厚なストーリーも本作の魅力のひとつだろう。ちなみにデフォルト名のアナスタシアのまま物語を始めると、主人公の名前も含めた台詞が再生される。

本作はNintendo Switch向けに、ダウンロード専用で2022年6月に発売された。そして今回ボルテージは、本作が全世界で売上3万本を突破したことを発表した(中国語繁体字版を除く)。いわゆる「乙女ゲーム」というターゲットの限られたジャンル、かつ新規IPのNintendo Switch専売ソフトという点を踏まえると、かなり売れていると言ってよいだろう。


同社としても本作の売上はかなりの好調と捉えられているようだ。本作は英語にも対応しており、同社によると「全体の半分とまではいかないものの、英語圏を中心に海外でもかなり売れている」そうだ。また本作の好評を受けて、すでに制作が決定している新作の3本『Neon Mafia』『Kaleido Tower』『Vampire Hunter』(いずれもプロジェクト名)についても英語版の制作・発売が予定されているとのこと。「乙女ゲーム」というジャンルにおいても、本作のようにグローバル展開で新たなターゲットを開拓する動きも出てきているようだ。

even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女』はNintendo Switch向けに配信中。価格は税込6930円。