国内のデベロッパーであるChilla’s Art(チラズアート)は5月31日、『地獄銭湯(The Bathhouse) Restored Edition』を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。謎のバグにより配信中止となった『地獄銭湯』が、フルリメイクされて再登場するようだ。
オリジナルの『地獄銭湯』は、チラズアートが2022年10月にSteamにて配信開始した、銭湯を舞台とした和風ホラーゲームだ。同作の主人公である秋村舞伊奈は、会社で働く毎日に疲れ果てていた。会社を辞めて田舎にでも行きたいが、お金が足りない。そんな風に考えていたところ、銭湯の求人を発見。秋村舞伊奈は田舎へと向かい、古びた銭湯にて住み込みで働くことになる。しかし、銭湯で働き始めた秋村舞伊奈の周囲では、おかしな出来事が起こり始めるのだった。銭湯を中心に起こる怪事件が、恐怖と共に描かれていく。
同作は2022年10月の発売後、ゲーム実況などでも多く扱われるなど、多数のプレイヤーに遊ばれていた。しかし2022年12月頃より、ゲーム開始直後に訪れる「アパートの203号室へ入れない」というバグが報告され始める。配信開始直後の時点では、そうしたバグは報告されておらず、エンディングまでプレイ可能だった。また当時のチラズアートの報告によると、彼らは2022年10月8日から2023年1月30日まで、同作のアップデートは実施していなかったという。
しかしアップデートをおこなっていないにもかかわらず、なぜか「アパートの203号室へ入れない」バグが発生。最終的には、チラズアートがバグの原因を突き止めきれなかったため、2023年3月17日時点で『地獄銭湯』の提供が中止となっていた(関連記事)。なおSteamのユーザーレビューでは記事執筆時点で、進行不能バグに対する不評も含めて448件中64%の好評を得てステータス「賛否両論」となっている。
本作『地獄銭湯 Restored Edition』は、そんないわく付きの『地獄銭湯』のフルリメイク版となる。Steamのストアページ上では、本作は銭湯で働く女性が主人公の和風ホラーゲームとされている。オリジナルの『地獄銭湯』同様、銭湯を舞台に恐怖が描かれるのだろう。また本作ではオリジナル『地獄銭湯』を全面的に見直し、改良がおこなわれている。具体的には、新しいストーリーや新しいゲームメカニクス、新しいキャラクターなどが追加。グラフィックの大幅な向上やキャラクターモデルの改良もおこなわれており、銭湯での怪事件がフルリメイクにパワーアップして再登場するようだ。
本作を手がけているチラズアートは、兄弟でホラーゲームを制作しているというデベロッパーだ。過去作としては、『赤マント』や『夜勤事件』などを含め、多数の短編ホラー作品リリース。ゲーム実況を中心に注目を集めてきた。『夜勤事件』ではマンガ版が配信されているほか、チラズアート作品をベースとしたノベライズ集も登場している。また2024年3月にリリースされた『新幹線 0号』では、Steamのユーザーレビュー561件中85%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得。本作以外にはラーメン屋台を題材としたホラーゲーム『拉麺屋台』も開発中となっている。
『地獄銭湯 Restored Edition』は、PC(Steam)向けにリリース予定だ。