『マインクラフト』の生みの親Notch氏、新作『Levers and Chests』開発中。ボクセル世界ローグライクダンジョン探索ゲームとして開発進む

 

NotchことMarkus Alexej Persson氏は今年4月、新たなスタジオを設立して新作を開発中であることを発表。その後同氏のXアカウントでは、開発中のゲームのスクリーンショットが複数回にわたって公開されている。開発は着実に進んでいるようだ。

Notch 氏は、『マインクラフト』を生み出したスウェーデンのクリエイターだ。試行錯誤を重ねながら『マインクラフト』の開発を進め、仲間と共にMojangを設立。開発と改良を重ね、同作をメガヒット作品へと育て上げた。その後Notch氏は2014年9月に、Mojangと『マインクラフト』IPを25億ドル(約2600億円・当時のレート)でマイクロソフトへと売却。同作の開発および運営からは正式に身を引いた。

そんなNotch氏は今年4月3日、新たなスタジオBitshift Entertainmentを設立したことを発表Game World Observer)。さらに一人称視点のダンジョン探索ゲームを開発中であると明かした。“呪われたアイテムや馬鹿げたメカニクス(cursed items, ridiculously broken mechanics)”などを含む、クラシックな意味でのローグライク作品になるという。ただし現状では漠然とした方針のみが定まっている状態だそうで、どこに向かうかはわからないとしている。

またNotch氏は複数回にわたり、開発中のゲームのスクリーンショットを公開している。3Dで表現されたダンジョンの奥に、ボクセルグラフィックの怪物が存在している様子が確認できる。なおNotch氏によれば、ゲームはまだすべて“仮置き(placeholder)”状態とのこと。壁には『Eye of the Beholder II: The Legend of Darkmoon』のテクスチャが、怪物には『Doom』向けMod「Voxel Doom」から拝借したボクセルモデルが使われているそうだ。

ちなみに上述の画像を見たユーザーは、過去にNotch氏が手がけていたものの開発中止されたダンジョン探索ゲーム『Legend of the Chambered』をリブートしているのではないかと質問。Notch氏はこれに「多分そうです!(It probably is!)」と答えており、同作と同様のコンセプトで開発されているとみられる。ただしタイトルについては『Levers and Chests』に改めたようで、仮置きながらもこの名前を気に入っているそうだ。

そしてNotch氏は5月27日にも『Levers and Chests』の新たな開発中のスクリーンショットを投稿。ボクセルグラフィックで描かれた人型のキャラが確認できる画像が投じられた。血で汚れたような大きな刃物を担いでおり、敵として登場するのかもしれない。

なおNotch氏は当初、間違えてゲーム画面内の細かな影の描画品質を向上させるSSAO(スクリーンスペースアンビエントオクルージョン)をオフにしたスクリーンショットを投稿。その後SSAOをオンにしたスクリーンショットを再投稿しており、凹凸のあるブロックで構築されたダンジョン内が、立体感をもって表現されていることが確認できる。

ちなみにNotch氏は現在SSAOの世界にどっぷりハマっているそうで、今回の投稿を通じて描画の不自然さや最適化の余地に気づいたとのこと。今後もさらにブラッシュアップがおこなわれていくのだろう。また同氏は画面内の光の反射表現を向上させるスクリーンスペースリフレクションの実装にも意欲を見せている。グラフィック面のこだわりも注目される作品となりそうだ。

『Levers and Chests』はNotch氏率いるBitshift Entertainmentにより開発中だ。