3DS『ポケモンXY』にて「オンラインサービス終了後も居残り続けた」プレイヤー、ついに切断される。約1か月粘り続けた“最後のトレーナー”

 

オンラインサービスが終了したニンテンドー3DS(以下、3DS)向け『ポケットモンスター X・Y』(以下、ポケモンXY)には、サービス終了後もオンラインに居残り続けるプレイヤーがいた。同プレイヤーは、切断まで約29日間にわたりオンライン要素に繋ぎ続け、「3DSオンライン上で最後のポケモントレーナー」となったようだ。

『ポケモンXY』は、2013年10月12日に3DS向けに世界同時発売された作品だ。本作はポケモンたちなどの描画に3Dを取り入れ、「シリーズ作品とは違う次元の作品」を目指して開発された。また、世界同時発売もシリーズ初の試みであり、全世界のプレイヤーと繋がるオンライン要素も。対戦・ポケモン交換のほか、ゲーム内で知り合いにメッセージを送れる「ハッピーサイン」といったオンライン機能が利用できた。また、次作『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』(以下、ポケモンORAS)でも共通のシステムを通じて、『ポケモン XY』のプレイヤーと通信をおこなうことができた。

しかし、『ポケモンXY』のそうしたオンライン機能は、本校執筆現在利用できない状態となっている。任天堂は昨年、3DSおよびWii U向けタイトルのオンラインプレイサービスを終了すると告知。今年4月9日には、実際にサービスが終了された。終了間際には、遊べなくなるオンライン要素を惜しむユーザーたちが、さまざまなタイトルをプレイする様子も見られた(関連記事)。

そうしたプレイヤーのなかには、サービス終了後もオンラインプレイから去ることを拒んだ者もいる。「Amanda」との名で知られるとあるプレイヤーは、サービス終了から実に28日と23時間30分にわたり、『ポケモンXY』のオンライン要素上に居残り続けたという。下記投稿にて、プレイヤーのJoziken氏が5月22日、Amanda氏のメッセージを代理で伝えている。




『ポケモンXY』の居残り組

まず、Joziken氏とAmanda氏の関係について説明したい。両氏は3DSオンラインサービス終了後も『ポケモンXY』のオンライン上に居残り続けたプレイヤーたちだ。Amanda氏およびJoziken氏らは、その中でも特に長期間ゲームの中に居残っていた。『ポケモンXY』および、共通のオンライン要素をもつ『ポケモンORAS』では、数十人のプレイヤーがサービス終了当初も接続をキープしていたものの、その数は一人、また一人と減っていった。

Joziken氏は、自身のXアカウントにて、連日の投稿でそうしたサービス終了後の様子を伝えていた。ゆっくりと終焉へ向かうオンライン空間のなか、Joziken氏らはお互いにメッセージを送るささやかな交信をおこない、互いの存在を確かめて励まし合っていた。しかし、Joziken氏は現地時間4月17日の早朝に、あえなくゲームより切断。その時には、Amanda氏含むごく少人数が残っていたことが確認できる。




「3DS最後のトレーナー」による感謝の言葉

そして今月に入りついにAmanda氏も『ポケモンXY』のオンライン上から切断されたようだ。そこで、交流のあるJoziken氏にメッセージの代理公開を頼んだかたちだろう。両氏によれば、Amanda氏は3DSのオンライン上にもっとも長く残り続けた「最後のポケモントレーナー」となったという。メッセージのなかでAmanda氏は、約29日間にわたる「居残り」を振り返り述懐。応援してくれたプレイヤーたちへの感謝から書き出している。

Amanda氏によれば、自分がもっとも長く残るプレイヤーになるとは思ってもみなかったという。また、居残りの過程では、3DSの故障を恐れて何度もゲームを終了しそうになったという。そして、「居残り組」の集うDiscordサーバーを立てたDocturo氏や、状況をX上で実況していたJoziken氏のほか、ともにオンライン上で励ましあったプレイヤーたちに感謝を寄せている。

そしてAmanda氏は、オンラインサービス終了全体ついて言及し、「ひとつの時代の終わり」と表現している。Amanda氏は最後に、オンラインサービス自体にも別れを告げ、「Nintendo Networkよ、安らかに(Rest in Peace)」との言葉を手向けた。また、いつの日か何らかのかたちでサービスが復活してほしいとの希望と、一人でも3DSのゲームは楽しめるとコメント。「3DSファンよ永遠に(3DS Fans Forever)」との言葉で、メッセージを締めくくっている。


なお、3DS/Wii Uのオンラインサービス上には、まだ複数名のプレイヤーが居残っている様子である。有志による報告では、まだ3DSの『マリオカート7』と、Wii Uの『スーパーマリオメーカー』および『スプラトゥーン』のオンライン上に、プレイヤーが存在するとのこと。こうしたプレイヤーが居残りを続けるかぎり、3DS/Wii Uオンラインサービスの「完全な終焉」は、もう少しだけ先になりそうだ。