『ロックマン2』の“35年越しの疑問”が、開発者のこぼれ話で氷解する。バブルリードの「リード(Lead)」は「鉛」じゃなくて「導く」
『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』(以下、ロックマン2)に関して、同シリーズ初期作品を手がけた開発者がコメント。海外コミュニティを中心に長年の疑問とされてきた、「バブルリード」の正しい意味が明らかになり注目を集めている。
『ロックマン2』は、カプコンから1988年(米国向けには1989年)に発売されたファミリーコンピュータ用アクションゲーム。Dr.ワイリーの野望を阻止するため、ロックマンはボスとして立ちふさがる8体のロボに立ち向かうこととなる。前作『ロックマン』に引き続き、プレイヤーが攻略ステージを選択できる仕組みや、ボス撃破で入手した武器を切り替え活用するシステムが存在。多彩な武器でボスの弱点を突くなどの戦略が、攻略に重要になってくる。
今回『ロックマン2』を手がけた開発者のA.Kこと北村玲(Akira Kitamura)氏が、自身のXアカウント上で同作について投稿し、海外コミュニティを中心に注目が集まっている。同氏は、『ロックマン』初期シリーズの企画者・主要開発者として「『ロックマン』の生みの親」とも呼ばれる人物だ。その北村氏が明かしたのは、武器「バブルリード(Bubble-Lead)」の「リード(Lead)」の意味である。
北村氏は5月14日、ファンの質問に回答するかたちで上述のポストを投稿した。そちらによれば、バブルリードの「リード」は「導く」という意味で、地面を這い進んで危険を察知してくれるからつけた名前とのこと。したがって、鉛でできているわけではないという。というのも、英語の「Lead」には大きく2種類の意味がある。導くという意味のLeadと、金属の鉛を指すLeadだ。英語圏ファンの間では、バブルリードが「導く泡」なのか、「鉛の泡」なのか、本作北米リリースから約35年が経つ現在でも疑問とされていたようである。
なお、そうした疑問がもたれた理由には、バブルリードの『ロックマン2』ゲーム内での描写もあるかもしれない。同作にてバブルリードを装備すると、ロックマンは灰色にカラーチェンジ。泡にも灰色の配色が使われており、いかにも「鉛色」にも見えるわけだ。また、泡が地面を這い進む様子も、頑丈な鉛の泡というイメージを強化したかもしれない。
「リードの意味」については海外の多くのファンが疑問に感じていたようだ。海外の『ロックマン』シリーズ専門メディアRockman Cornerを運営するProtodude(Brian)氏が北村氏のポストを引用すると、瞬く間に拡散。600回以上のシェア数と2200件以上のいいねを集めた。「ずっと鉛だと思っていた」といったさまざまなファンの反応も寄せられており、海外メディアGamesRadar+も本件を取り上げ。かなりの重要トピックとして扱われていることがわかる。
なお、Protodude氏によれば「導く or 鉛どちらか」との疑問は『ロックマン2』リリース当時からファンの間で話題だったとのこと。また、鉛を指すLeadは、英語では「レッド」に近い発音となる。そのため、もし日本語表記「リード」を確認できていれば疑問はここまでに解決していたと考えられるそうだ。しかし、『ロックマン2』発売当時には、日本語版ゲームや説明書を海外から参照することはかなり困難だったとのこと。そのため、今日に至るまで多くの海外ファンが疑問を抱えたまま過ごしていた様子である。
なお、北村氏はほかにも「ボスであるDr.ワイリーの操るエイリアン(実態のない映像)にバブルリードだけが効くのは、泡の液体でショートさせているため」とする投稿など、ファンにとって気になる設定話や裏話を明かしている。今回のようなトピックに興味がある方は、同氏のXアカウントを確認してみるとよいだろう。