『FF14』「黄金のレガシー」ジョブ新情報がPLLでどどんとお披露目。占星術師はまた魔改造・黒魔は魔紋持ち運び・なぜか羽根が生える学者など目白押し


スクウェア・エニックスは5月16日、『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)の新情報を発表する生放送「第81回FFXIVプロデューサーレターLIVE」を配信した。

放送では7月2日に正式リリースを控えた大型拡張ディスク「黄金のレガシー」におけるバトル関連の変更点について解説され、新たな追加アクションやメカニクス変更が多数発表された。本稿は放送内で発表されたアップデートについて取りまとめたものである。

生放送の冒頭では、20分超のジョブアクショントレーラーも公開された。「黄金のレガシー」で新たに追加される「ヴァイパー」「ピクトマンサー」を含めた全21ジョブの新アクションや新UIを確認できるので、こちらもあわせてチェックしておこう。

ジョブ調整の全体的なコンセプトとしては、「遊びやすさの向上とフィードバックに基づく調整」で実施されているとのこと。もちろん新たなアクションが追加されているため、スキルのローテーションが変わるジョブもあるようだ。

タンク

タンク全体の調整としては、レベル90台で「ランパート」及びジョブ固有の30%軽減バフが強化される。ジョブ固有バフにはジョブごとに異なる追加効果も発生し、ジョブそれぞれの個性として役立ってくるようだ。また、「リプライザル」の効果時間が15秒に延長される。

どのジョブも基本コンボの強化や大技からの新アクション追加が主体で、暗黒騎士についてはバースト中の忙しさ軽減なども加味されているものの、大きくメカニクスが変わるジョブはないようだ。特筆すべきはジョブトレーラーで公開されてコミュニティを沸かせた、ガンブレイカーの大技「エンド・オブ・ハート」だろう。『FF8』のスコールが使用していた技だが、コンボ技にモーションを組み込むことで本家の雰囲気を再現しているようだ。

近接物理DPS

近接物理DPS共通の調整点としては、「内丹」の回復量がアップすることと、「牽制」の効果時間が15秒に延長されることがあげられる。新ジョブ「ヴァイパー」が追加されるロールだが、既存ジョブについてもメカニクスの改修や細かな変更があるものが多いようだ。

モンクは基本コンボのメカニクスが変更される。ウエポンスキルはバフや継続ダメージを維持するものではなく、特定の順番で使うことで次のアクション威力がアップするようになる。プレイの手触りは大きく変わらないが、ローテーションが崩れた際の立て直しがしやすくなるようだ。また、「桃園結義」中に闘気の最大スタック数が10となり、無駄になりにくくなる。「六合星導脚」は闘気の残数によって威力が変わるので、高難易度コンテンツでは調整しなければならない場面が出てくるかもしれない。

竜騎士はジョブメカニクスを大改変をする方針は撤廃。現状のまま使いやすさを改善していく方向へとシフトしている。まず、方向指定の多さを軽減するため、コンボ5段目を方向指定なしの新アクション「雲蒸竜変」に変更。コンボルートによって方向指定が変わる難しさが緩和されるようだ。また、立ち上がりの遅さを改善するため、「ドラゴンアイ」を蓄積しなくても開幕すぐに「紅の竜血」に移行できるようになる。そのほかにも「スパインダイブ」が移動技に変更されるなど、遊びやすさのための調整が細かく入っているようだ。

忍者は「風遁の術」に改修が実施される。攻撃速度上昇効果は常時発動する特性に変更となり、「風遁の術」そのものは範囲攻撃+かくれる効果に変更となるようだ。それに伴いジョブHUDにも変更がかかり、印象的だった風車のアイコンは削除されている。

忍者のHUD


侍はリキャスト管理の複雑さを軽減する目的で、「燕返し」が「明鏡止水」後に発動できるアクションに変更される。それ以外は上位アクションの追加など、正統進化がメインのジョブとなる。

リーパーは「プレンティフルハーベスト」の効果がゲージ上昇から「レムールシュラウド実行可」に変更となる。ゲージが51以上でのときにスキルを使用しても、ゲージがあふれて無駄になることがなくなるようだ。レムール中のアクションも追加され、こちらも正統進化のジョブとなる。

「黄金のレガシー」から新たに実装されるヴァイパーは、二刀流コンボから合体剣アビリティ、合体剣コンボから二刀流アビリティと、多彩な攻撃を次々に繰り出すハイテンポなジョブとのこと。アクション総数は他ジョブと同等だが、セットする数が少なく済むようなシステムになっている。

ヴァイパーの実機映像


ゲージが溜まると使用できる「祖霊降ろし」中はよりスピード感がアップし、一気呵成に畳み掛けることが可能となる。実機プレイの様子も公開されたが、ハイスピードな攻撃を連続で繰り出す爽快感が特徴のジョブのようだ。また、状況に応じてコンボルートを判断する必要があるため、極めるにあたっては考えることが多いジョブとなるとのこと。

遠隔物理DPS

遠隔物理DPSも近接物理DPSと同様に、「内丹」の回復量がアップする。また、各ジョブ固有のダメージ軽減バフの効果量が15%に強化される。3ジョブともに新規アクション追加や既存アビリティのチャージアクション化、遊びやすさ向上といったアップデートが多く、正統進化といった様子であった。

遠隔魔法DPS

遠隔魔法DPS共通の変更点としては、「迅速魔」のリキャストを40秒に短縮。また、「リプライザル」「牽制」と同様に「アドル」の効果時間も15秒に延長される。新たにピクトマンサーが実装されるロールだが、既存ジョブの大きな変更は少なく、使い勝手の良さが向上するようなアップデートが中心となっている。

黒魔道士は、「アンブラルブリザード」中のMP回復タイミングが氷属性魔法の命中時に変更される。サーバータイムによってスキル回しにずれが生じてしまう部分について、遊びやすくなるよう調整がなされたようだ。また、「黒魔紋」を自身の足元に一度だけ再設置できるようになり、ギミック対応をしやすくなる。

召喚士は「シアリングライト」の後に発動できる攻撃アクションが実装される。また、新たな召喚獣「ソルバハムート」が召喚可能となる。ジョブアクショントレーラーにも登場しており、インパクトのある佇まいがコミュニティの話題となった召喚獣だ。スキルローテーションも変更となり、ソルバハムート→バハムート→ソルバハムート→フェニックスの順で発動していくこととなる。なお、大型拡張ディスクのたびに激論となる蘇生スキル「リザレク」については、「黄金のレガシー」では残されることとなった。しかし、今後ジョブの個性を作っていくにあたり、パッチ8.0以降は削除の可能性もあるとのことだ。

ソルバハムート


赤魔道士は「マナフィケーション」の効果が「魔法剣コンボ実行可」に変更され、マナが溢れにくくなる。また、「エンムーリネ」から始まる範囲魔法剣コンボも、単体コンボとマナ消費量が同等となる。そのほかには「エンボルデン」実行後に使えるようになる攻撃アビリティが追加されるなど、正当進化のジョブとなるようだ。

「黄金のレガシー」で新たに実装されるピクトマンサーは、魔法でさまざまな「絵素」を描いて準備し、それをアビリティで具現化することで強力な効果を発動できるジョブである。複数の絵素を具現化すると高威力の攻撃を繰り出せるため、そのような絵素を描いていくかが重要となる。パーティや自身に対するバフを所持しており、シナジー寄りのDPSとなると見られる。

ピクトマンサーの魔法にはコンボのような概念があり、三原色に応じた色の魔法コンボを入れることで白い絵の具となり、無詠唱魔法が使用可能となる。また、虹色の絵の具ゲージが50溜まると、色属性を反転させることで詠唱が長く強力な魔法が使用可能となる。そのほかにも、キャラクターが向いている方向へ滑っていく移動スキルも持っているようだ。


ピクトマンサー最大の特徴である「絵素」には生物・武器・風景の3種類があり、HUDにある3つのキャンバスがそれぞれ対応している。絵を描くためには非戦闘中であれば詠唱は不要だが、戦闘中には詠唱が必要となる。絵画はカテゴリごとに独立しており、具現化するごとに別の事象を具現化することができる。実機でお披露目された生物コンボではポンポンと翼を具現化したあとにモーグリ本体が、爪と牙を具現化したあとにマディンが具現化されており、後ろにいくほどより強力な攻撃となっていった。それ以外にも武器の絵素から派生する絵画は無詠唱のハンマーコンボを撃てるようになったり、風景の絵素から派生する絵画でパーティにバフを与えたりといったバリエーションもあるようだ。

ヒーラー

ヒーラーロールも遠隔魔法DPSと同じく、「迅速魔」のリキャストが40秒に短縮される。

白魔道士には前方に素早く移動するアクションが追加される。また、「神速魔」に派生して3回発動できる範囲攻撃アクションも追加される。もちろん回復アクションも多数追加され、「テトラグラマトン」のスタック数が増えるなど、正統進化と言えるアップデートとなるようだ。

学者は自身の姿を変えて回復効果を強化するアクション「セラフィズム」が実装される。ジョブアクショントレーラーでは翼の生えた別人姿になっており、SNSをはじめとしたコミュニティをざわつかせていた。そのほか、「連環計」後に発動できる範囲攻撃DoTアクションが追加されるようだ。秘策のリキャスト短縮など、細かなアップデートも実施されるようだ。

占星術師は大きくメカニクスが刷新される。カードシステムからはランダム性がなくされ、攻撃バフ・防御バフ・回復の効果を持つカードを同時に引くようになる。クラウンロードとクラウンレディを含めると占星術師のカードは8種類あるが、それらを4枚ずつ2グループに分け、60秒ごとに異なるグループをドローする形式に変更されるとのこと。ドローされるカードが固定化されるためアストロサインを揃える要素は削除され、「アストロダイン」も消えることとなった。

賢者は「エウクラシア」の強化対象に「ディスクラシアⅡ」が追加され、範囲DoTを撒けるようになるようだ。また、自身が魔法を使用するたびに周囲の味方を回復するパーティバフも追加される。こちらは限定的に発動できる範囲版の「カルディア」のようなもので、攻撃を回復に転じさせる賢者らしいアップデートとなっていくようだ。

以上、第81回PLLで発表された、『FF14』最新大型拡張ディスク「黄金のレガシー」のジョブ情報についてお届けした。今週からはメディアツアーも開始されるため、新情報がどんどん公開される時期である。『FF14』「黄金のレガシー」は7月2日正式リリース開始、アーリーアクセスは6月28日よりスタート予定だ。

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