オープンワールド要塞都市建築『Bulwark』開発者がSteamの作品名に「ジャンル説明」をねじ込む。ユーザーの“勘違い”に業を煮やして『Bulwark: Falconeer Chronicles, a creative building sandbox』に改題

個人開発者のTomas Sala氏は5月13日、『Bulwark: Falconeer Chronicles』の名称を『Bulwark: Falconeer Chronicles, a creative building sandbox』と変更した。「作品ジャンルを勘違いされるため」とのこと。

個人開発者のTomas Sala氏は5月13日、自身が手がける『Bulwark: Falconeer Chronicles』のSteamストアページ名称を『Bulwark: Falconeer Chronicles, a creative building sandbox』と変更した。開発者によれば、「作品ジャンルを勘違いされるため、タイトルで明示した」とのこと。

『Bulwark: Falconeer Chronicles』は、オープンワールド・シューティングゲーム『The Falconeer(ファルコニア)』の世界観をもとにした都市建設シミュレーションゲームだ。前作は、大きなファルコンにまたがり広大な海洋世界を探索し、空中戦を繰り広げる作品。本作では、その舞台となったアーシー王国に、街をいちから建設していくことになる。

『Bulwark: Falconeer Chronicles』は今年3月に、PC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/PS5/Xbox Series X|S向けにリリース。Steamでは本稿執筆時点で507件のユーザーレビューを集め、うち79%が好評とする(やや好評)ステータスを得るなどまずまずの評価となっている。

Steamストアページにおける本作のタイトルが5月13日、突如として変更された。『Bulwark: Falconeer Chronicles, a creative building sandbox』として、「建築サンドボックスゲームである」という点がタイトルに追記・明示されたかたちだ。

Sala氏はタイトル変更にあたり、自身のX(旧)Twitterアカウントにて上述の声明を投稿し、変更意図を伝えていた。同氏によれば、本作の“フルタイトル”は『Bulwark : Falconeer Chronicles, a bloody creative sandbox not a fucking strategy game, build some cool shit expect no endgame cuz a sandbox(Bulwark : Falconeer Chronicles、こいつはクリエイティブなサンドボックスゲームであってストラテジーゲームじゃねえ、“ゲームの終わり”なんか求めずクールなブツを建てて楽しめサンドボックスなんだからよ)』だという。下品な表現も交えたこの名称は、「本作はストラテジーゲームではなく、サンドボックスゲームである」と強調する意図だろう。

Sala氏によれば、『Bulwark: Falconeer Chronicles』は深みのあるストラテジーゲームのように見えるものの、あくまでもサンドボックスゲームであるという。リソースマネジメントや戦略要素は、築いた要塞都市を活き活きと見せるために備わっているとのこと。


すなわち開発者の意図としては、『Bulwark: Falconeer Chronicles』はストラテジーゲームとして明確なエンディングをもって設計したわけではなく、プレイヤーの創造性を発揮させて自由に楽しむ要塞都市づくりゲームとして設計されているのだろう。たしかに、本作のストアページにおいては説明欄で「open world building sandbox(オープンワールド建築サンドボックス)」と明示されているほか、ゲーム内でも開発者自身のボイスつきで同様に説明されている。

Sala氏によれば、本作がサンドボックスゲームである点についてはインタビューで語るなど周知に努めてきたとのこと。また、価格についても大規模・重厚なストラテジーゲームではなく、サンドボックスゲームとして価格設定をした認識とのこと。同氏としては、そうした努力にも関わらず本作のジャンルについて“勘違い”して評価するプレイヤーを減らしたいのだろう。加えて、本作がユーザーによって「ストラテジー」とタグ付けされ続け、同作がSteam内でストラテジー作品として扱われてしまう点も問題だと考えているようだ。


前述のとおり、本作Steamユーザーレビューはまずまずの評価。レビュー内容としてはビジュアル面や雰囲気が評価を受ける一方で、「コンテンツが不足しており、終わりが設定されていない」といった不評を投じるユーザーもいるようだ。なお、そうした不評レビューにはSala氏自身が頻繁に説明や反論の返信を投じており、プレイヤーへの関わり方はかなり激しめ。今回のタイトルへのジャンル明示も、業を煮やした結果だろう。

『Bulwark: Falconeer Chronicles, a creative building sandbox』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ(Steam以外では旧タイトルとなっている)。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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