“盗用疑惑広告”で謝罪した『ドット勇者』、新たに盗用指摘される。再発防止を誓ったはずなのに
国内イラストレーターの水乃くらげ氏は5月12日、スマートフォン向けゲーム『ドット勇者~三時のおやつと昼寝付きの冒険~』(以下、ドット勇者)のSNS投稿に、同氏制作のイラストが無断で盗用されていると伝えた。『ドット勇者』は、2023年にも広告における素材無断盗用の可能性が指摘され、運営元が謝罪するに至っていた。
『ドット勇者』は中国の広東省広州市に拠点を置くEfun Companyが手がけるスマートフォン向けゲームだ。ジャンルは「ドット絵放置系冒険RPG」とされている。同作は昨年、リリースにあたってSNSを始めとする各種媒体向けに広告を展開。そうした広告の内容について、無関係の作品からグラフィックやBGMなどの素材を無断で盗用しているのではないかと、SNSユーザーなどから指摘が続出していた(関連記事)。
運営元のEfun Companyは、昨年8月1日に同盗用疑惑に関する謝罪文を投稿(上述のポスト)。「広告に対する確認不足だった」として、広告を委託していた先の責任であると示唆しつつ、同委託先との契約解除および広告審査チームの発足など再発防止策の実施を約束していた。しかし、今回新たに盗用の指摘がなされることとなった。
イラストレーターの水乃くらげ氏は5月12日、自身のX(旧Twitter)アカウントにて『ドット勇者』が同氏制作のイラストを盗用していると指摘した。水乃氏が盗用行為があったと伝えているのは、『ドット勇者』公式Xアカウントによる5月10日の投稿。同投稿には、複数のイラストを組み合わせた画像が添付(現在は差し替え済)。そのうちの一つとして、水乃氏制作による二次創作イラストが使用されていたという。筆者が確認する限りでは、たしかに水乃氏による2月7日投稿のイラストが、『ドット勇者』の5月の投稿に利用されているように見える。
水乃氏によれば、同氏は該当イラスト使用の許可は出しておらず、無断転載であるとのこと。同氏は本件について、経緯説明や発信者の開示・該当ポストの削除・謝罪文のSNS上での掲示といった対応を運営元に求めた。また、水乃氏のもとには、本件にまつわる誤解によるDMも届いているといい、精神的負担を感じ仕事に支障をきたしていると伝えた。
なお、『ドット勇者』公式Xアカウントや公式サイト上では、今のところ本件に関する声明などは見られない。一方で、水乃氏によれば5月12日夜には指摘を受けた画像が差し替えられたという。前述のとおり、『ドット勇者』運営元は昨年にも素材盗用の可能性を指摘されており、謝罪の上で再発防止に尽力すると伝えていた。同運営元の今後の対応について注目が寄せられる。