ゲーム開発者たちが「自分のゲームに影響を与えた3作品」を続々紹介。わかりやすく影響出ていたり意外な作品だったり、アイデアの融合いろいろ

 

X(旧Twitter)上で、ゲーム開発者が、自らが手がけたゲームと影響を受けた作品について紹介しあっている。国内外問わず多くの人々がこの動きに参加しており、さまざまな作品が紹介されている。

最近X上で広まっているのは「The indie game we made and three of the inspirations behind it.」という文言。日本国内向けには、「#私が作っているインディーゲームとその背後にある3つのインスピレーション」というハッシュタグが用いられている。開発者たちは上記のフレーズに加えて、自らがリリースした/開発中のゲームを動画や画像で紹介。あわせて、作品に影響を与えたゲームとして3つの画像をそれぞれ添付する、というかたちだ。


発端となったのは、スコットランド・ダンディーにて活動しているAlex Kanaris-Sotiriou氏の、5月7日の投稿だと思われる。同氏はインディーゲームスタジオ・Polygon Treehouseのクリエイティブディレクター兼リードデベロッパーを務めている。同氏は、スタジオの2作目の作品である『Mythwrecked: Ambrosia Island』について、影響を受けたゲームとして『逆転裁判』シリーズと、オープンワールドADV『パラダイスキラー』、動物ADV『A Short Hike』を紹介している。推理・自然探索・神々が存在する世界観などの要素が合体し、『Mythwrecked: Ambrosia Island』が誕生したようだ。

この投稿を受け、インディーゲーム開発者たちは自分が作っているゲームのルーツや、リスペクト元となった作品を紹介。大きなムーブメントとなっているようだ。


たとえばスペイン・バレンシアに拠点を置く2人組のゲームデベロッパー・nukefistは、ハックアンドスラッシュアクション『Genokids』を開発中。投稿では同作のプレイ動画が添付されている。操作キャラクターが次々に入れ替わり、敵の攻撃を切り抜けつつ、華麗にコンビネーションをおこなっている。そんな同作を手がける同スタジオは、影響を受けたゲームとして『キングダム ハーツ -ファイナル ミックス-』、『デビル メイ クライ 3』、『ペルソナ5』をあげている。

複数キャラが連携し、空中での攻撃を中心として繰り広げられる戦闘は、確かに『キングダム ハーツ』を彷彿とさせるものがある。また攻撃をあてるごとに右上の「Dope!」や「BADASS!」と表示されゲージが溜まっていくのは、『デビルメイクライ』のスタイリッシュランクに影響を受けたものだろう。そして『ペルソナ5』は、UIデザインなどの面でインスピレーションを受けたのかもしれない。


またゲーム以外から影響を受けた作品も存在している。終末日常ADV『A Space for the Unbound』を手がけるMojiken StudioのスタッフでありイラストレーターであるHal & SacchiことDimas Novan D氏は、影響を受けた映画作品として「ドニー・ダーコ」、「トゥルーマン・ショー」、「秒速5センチメートル」をあげた。同氏によれば、「トゥルーマン・ショー」の物語は、『A Space for the Unbound』主人公アトマの同作における旅路に通ずるところがあるようだ。また同作のアートディレクションの雰囲気や、ストーリーにおける憂鬱な雰囲気は「秒速5センチメートル」に大きな影響を受けたという。

日本国内でも多くのインディーゲーム開発者がこの流れに乗り、影響を受けた作品や、どういった点でインスピレーションがわいたかを紹介している。『溶鉄のマルフーシャ』およびその開発中の続編『救国のスネジンカ』を手がけているhinyari9氏は、一連の作品について影響を受けたゲームを共有した。銃と女性の組み合わせについては、『少女前线(ドールズフロントライン)』がインスピレーションの元とのこと。ほかにも舞台となるディストピアの世界観として『Papers, Please』、ゲームテンポの面では『ダンジョンメーカー』に影響を受けたとしている。

『救国のスネジンカ』


今回、インディーゲーム開発者たちを中心としたムーブメントによって、自作ゲームに影響を与えた作品が多く共有された。その影響がはっきりと見て取れるゲームもあれば、想像だにしなかったインスピレーション元を明かしている開発者もいるかもしれない。そうしたインスピレーション元がどうゲームに反映されているかを確認するために、各作品に触れてみるのもいいだろう。

あるいは、「好きなゲームに似たゲーム」を探している場合にも、影響を受けた作品からの“逆引き”のようなかたちで好みのゲームに巡り合えることもあるかもしれない。気になった人は、「three of the inspirations behind it」などで調べてみることをおすすめする。