ドラマ「Fallout」からゲームを始めた初心者を、“騙してデスクローの巣窟に誘導する”経験者たち現る。いじわる
Amazon.comのプライム会員向け動画配信サービスPrime Videoにて4月11日、実写ドラマ「フォールアウト(Fallout)」が配信開始された。同ドラマの人気を受けて、ゲーム『Fallout』シリーズを新規に始めるプレイヤーの姿もSNS上などで散見される。そうした新規プレイヤーを、ゲーム内の超危険地帯に誘導する作品経験者の行為も注目されている様子だ。GamesRadar+などが伝えている。なお、本稿には『Fallout: New Vegas』に関するネタバレが含まれるため、留意してほしい。
「フォールアウト」は、RPG『Fallout』シリーズの実写ドラマ版だ。ゲームの世界観を踏襲し、核戦争から200年以上を経た2296年、荒廃したアメリカにて物語が繰り広げられる。映画・ドラマのレビュー集積サイトRotten Tomatoesでは批評家・ユーザーのいずれからも高い評価を獲得しており、SNS上でも話題を博した。
また、同ドラマの人気を受けてか『Fallout』シリーズ作品のプレイヤー人口が激増(関連記事)。『Fallout 76』では、Steamにおけるピーク時同時接続プレイヤー数7万3368人を記録し、過去最高を更新した。『Fallout: New Vegas』もそれまで5000人程度で推移していたところ、ドラマ放送直後からピーク時4万人を超えるSteam同時接続数プレイヤー数を獲得(SteamDB)。SNS上などでは、この機に初めてシリーズ作品に触れるという初心者ユーザーの姿も目立つようになった。そして、初心者たちを騙して楽しむ“いじわるな経験者たち”の活動も見られる。
たとえば、上述のX(旧Twitter)ポストでは、初心者ユーザーによる「初めて『Fallout: New Vegas』をプレイする」と心躍らせている様子の投稿に、シリーズ経験者らしきユーザーが反応。笑顔の絵文字とともに、「採石場ジャンクション(Quarry Junction)に行くといいよ!いいアイテムがいっぱいあるから」とおすすめしている。ほかにも複数のユーザーが、「近道である」などとして同様の提案をしている。これらは経験者から初心者への温かいアドバイスに見える。ただし、誘導している「採石場ジャンクション」が極めて致死的で危険なエリアであることを除けば、の話だ。
採石場ジャンクションは、『Fallout: New Vegas』のプレイ開始地点である「グッドスプリングス」の北側に位置するロケーションだ。ゲーム序盤の目的地である「ニューベガス」への道のりを阻むように存在しており、周辺にも危険地域が隣接して存在。プレイヤーがメインクエストを素直に追いかけるならば、同ロケーションとは反対に南下し、ぐるりと迂回して進行するようなかたちになる。それでも、冒険心豊かな多くのプレイヤーたちが、プレイ開始直後などにこの場所を訪れて精神的トラウマを作っている。
というのも、採石場ジャンクションには本作屈指の強敵が存在している。まず、同エリアには危険生物デスクローがうようよ待ち構えている。さらに、その上位存在であるデスクロー・アルファや、デスクロー・マザーも出没するのだ。本作でも屈指の危険エリアであり、序盤では戦うどころか通過するのも至難の業。なにより、上述の動画のように、倍速再生の如き速度で駆け寄ってプレイヤーの命を奪うデスクロー・マザーは、多くのプレイヤーの心に傷を残したことだろう。
そんな恐るべき土地に初心者を誘導する行為がおこなわれているわけである。前述の初心者プレイヤーもデスクローの洗礼を受けたようで、幾度となく死亡したと報告している。しかし、最終的には初期装備であるVaultスーツのまま、わずか2回しかレベルアップせずに“近道”でニューベガスへたどり着くことに成功したようである。
そして、前述の初心者プレイヤーはその後、別の新規プレイヤーに向けて「採石場ジャンクションに行くといいよ!いいアイテムがいっぱいあるから」と笑顔で勧めている。自分と同じ“貴重な体験”をしてほしいのだろう。とはいえ、新規プレイヤーにプレイしてもらう際には、誘導などおこなわずに完全なる不意打ちでトラウマを作ってもらったほうが、自然なゲーム体験といえるかもしれない。
なお、上述のような「低レベルでの危険地帯ショートカットルート」は、開発者側も想定して設計したと証言している(関連記事)。本作経験者も今一度低レベルでの「採石場ジャンクション越え」に挑戦してみるのも一興かもしれない。