中世ストラテジー『Field of Glory: Kingdoms』6月4日配信へ。東西教会の分裂時代の中世統治は、言うこと聞かない傭兵や、内戦・反乱など頭痛の種だらけ


パブリッシャーのSlitherineは5月3日、『Field of Glory: Kingdoms』を6月4日に配信すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam/GOG.com/Slitherine公式ストア)。

『Field of Glory: Kingdoms』は歴史グランドストラテジーゲームだ。ソロプレイおよび最大16人のマルチプレイに対応。舞台となるのはヨーロッパを中心とする、中世の地中海世界だ。西暦1054年を起点とし、東西教会の分裂(大シスマ)が起こった直後の世界にて、1274年までの200年以上に渡って国家を統治していくことになる。


本作は全勢力が同時に行動するターン制にて進行する。地域ごとに施設を建てて内政したり、外交や戦争などをおこなって国を運営。Legacyと呼ばれるポイントを多く貯めた勢力が勝者となる。本作には375の勢力が登場し、プレイヤーは好きな勢力を選んでプレイすることができるという。それぞれの勢力は文化や宗教、特性などが異なり、プレイ感覚が変わってくるそうだ。また、違う宗教同士の国家は緊張が高まりやすく、戦争になりやすいとのこと。失った聖地を取り戻すために聖戦(Crusade or Jihad)がおこなわれることもあるという。

また本作の重要なパラメーターとして、権威(Authority)が存在。権威が高ければ国家を安定的に統治することができるというが、権威が低くなると反乱を招くそうだ。統治者として高い権威を追求することになるが、権威が高くなりすぎると大国にライバル視されることもあるという。ほどほどの国家として安定的な統治を目指すのか、あるいは大国との競争を制していくのか、プレイヤーの判断が問われるとのことだ。

そのほか本作には王朝システム(Dynasties system)も存在する。プレイヤーは一族の当主として、親族らに対処していく必要があるという。親族を要職に就けたりして、一族を満足させていく必要があるようだ。一族が不満を抱えると内戦が発生するリスクが高まるという。一方で一族が無能だったりする場合は、有力な家臣などを抜擢することも可能。家臣らはそれぞれの能力でボーナスをもたらすが、頼りすぎると権威の低下を招くという。


戦争では、騎兵や歩兵、弓兵などユニットを組み合わせて部隊を編成し、自動戦闘にて勝敗が決せられる。ユニットはそれぞれ特性が異なる、常備兵・志願兵・徴集兵・傭兵の4種類に分類されるという。傭兵は特殊な存在で、金さえあれば素早く大量に雇用することができるが、解散命令に従わず盗賊化して領内を荒らすことがあるそうだ。公式説明によると、戦争が終わりそうになったら傭兵部隊は、敵の領土奥深くで解散命令を出すのがおすすめとのこと。たとえ盗賊化しても自領には影響がないので問題にならないそうだ。

また、本作は同シリーズの戦術シミュレーションゲーム『Field of Glory II: Medieval』(以下、FoG2:M)との連携機能が存在。本来は自動戦闘となる本作の戦闘を、『FoG2:M』内にて自らの指揮でプレイし、結果を本作に反映させることができるという。プレイヤーの采配次第で、自動戦闘では勝ち目のない戦いでも勝利することができるようだ。


本作を手がけるAGEodはフランスに拠点を置くデベロッパーだ。ボードゲーム『Europa Universalis』などをデザインしたPhilippe Thibaut氏らによって、2005年に設立された。一時はParadox Interactiveの傘下に入っていたこともあり、これまで多くの歴史ストラテジーゲームを手がけてきている。

本作の前作にあたる『Field of Glory: Empires』は、古代を舞台としたグランドストラテジーゲームだ。同作はSteamユーザーレビューにて、本稿執筆時点で約680件中81%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。システムが分かりづらい点などを課題とする意見も見られるが、古代を舞台とした世界観や、勢力の個性が強く感じられるところ、他作品との連携機能により戦闘を自ら指揮できる要素などが好評を得た。高評価を得た前作に引き続き連携機能などを盛り込みつつ、舞台を中世に移した本作が打ち出されるかたちだ。

『Field of Glory: Kingdoms』はPC(Steam/GOG.com/Slitherine公式ストア)向けに、6月4日配信予定だ。