Arrowhead Game Studiosは5月3日、『HELLDIVERS 2(ヘルダイバー2)』Steam版に向けて「アカウント登録のアップデート」と題したニュースを投稿した。この投稿以後、ユーザーからは不満の声が続出。ニュース投稿後の初日におよそ2万件以上の低評価レビューが投稿されている。SteamとPlayStation Networkアカウントの連携が義務化したことを受けてのユーザーによる反応のようだ。
『HELLDIVERS 2』は、最大4人協力プレイ対応のTPSだ。2015年発売の『HELLDIVERS』の続編として位置づけられている。プレイヤーはスーパーアース連邦のエリート部隊ヘルダイバーの一員となり、自由と管理民主主義を守るため、銀河を舞台とした戦いに身を投じることとなる。なお本作は、PC版とPS5版でのクロスプレイに対応している。
本作はピーク時には一時45万人の同時接続数を記録し、Steam上での全世界売り上げ1位となるなど、大きな賑わいを見せていた。そんな『HELLDIVERS 2』開発元のArrowhead Game Studiosは5月3日、「アカウント登録のアップデート」と題したニュースを投稿。本作Steam版をプレイする際には、SteamアカウントとPlayStation Networkアカウントの連携がかならず求められる仕様へと変更されることを発表した。
同ニュース投稿によると、アカウント連携機能はリリース当初技術的な問題で一時任意になっていたとのこと。一方でゲームにおける安全性とセキュリティ面の維持、迷惑行為や不正行為をおこなうプレイヤーへの対策をおこなう主要な手段であるとして、仕様を変更し、今後SteamアカウントとPlayStation Networkアカウントの連携を必須にするとしている。新規プレイヤーは5月6日からアカウント連携が必須となるほか、既存のSteamプレイヤーは5月30日から連携を促されるようになり、6月4日までにかならず連携をおこなうように案内されている。
しかし、このニュース投稿を受けてプレイヤーからは不満の声が続出。本稿執筆段階で直近5月3日のSteamユーザーレビューでは、およそ3万6000件の低評価レビューが一挙に寄せられている。その結果、本作の「最近のユーザーレビュー」は「賛否両論」ステータスに落ち込み、「全体のユーザーレビュー」においても「やや好評」に落ち込んでいる。一時は任意であった連携機能が義務化されたことを快く思わないユーザーから多くの不満が殺到したかたちだ。
不満の原因としてはPSNアカウントを新たに作成する手間もあるほか、そもそも一部地域は在住地としてサポートされていない点なども問題視されているようだ。またSteamではほかにもPlayStation向け作品がリリースされてきたものの、それらのタイトルではPSNアカウントの連携が任意となっている。一方『HELLDIVERS 2』だけ発売から約3か月を経て、突然アカウント連携が必須化される点には反発も起こっているようだ。
こうした反応を受けてArrowhead Game StudiosのCEO兼本作クリエイティブディレクターを務めるJohan Pilestedt氏は声明を投稿。Steamユーザーレビューに批判が殺到している点について「当然のことだと思う(I guess it’s warranted)」としつつ、このような事態になったことへの謝罪を綴っている。同氏は今後も素晴らしいゲーム体験を提供することで、信頼を取り戻せることを願っているとコメント。ユーザーからの批判は認識されているものの、アカウント連携の必須化については撤回されることはないようだ。
なお本作の公式DiscordサーバーにてコミュニティマネージャーのTwinbeardことThomas Petersson氏が、ユーザーに対して今回のアカウント連携の必須化について「ソニー(SIE)の決定であり我々の決定ではない(it’s Sonys decision, not ours)」と述べている。また先述したようにPSNアカウントにサポートされていない地域が存在する点については、SIEに問い合わせ中とのことだ。
発売後約3か月を経て、突然発表された『HELLDIVERS 2』Steam版のPSNアカウント連携必須化。サポートされている地域であればPSNアカウント作成はあまり手間や時間をかけずに可能で、迷惑行為や不正行為への対策に繋がるとされる点には理解を示すユーザーも一定数みられる。一方で数多くの批判も寄せられており、今後の動向は注目される。