バックルーム系ウォーキングシム『POOLS』、”誰もいないのに恐ろしい”不気味プール探索が好評スタート。無機質で奇妙な異空間散歩

デベロッパーのTensoriは、『POOLS』を4月26日に発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語表示に対応。発売後、本作はさっそく好評を博しているようだ。

デベロッパーのTensoriは、『POOLS』を4月26日に発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語表示に対応。発売後、本作はさっそく好評を博しているようだ。


『POOLS』はいわゆる「リミナルスペース(Liminal Spaces)」の探索を主体とするウォーキングシミュレーター。リミナルスペースとは、もともと建築に関わる用語で、待合室や廊下などといった、ある場所から別の場所に向かう途中の空間を指している。しかし、そうした空間に人が全くいない様子が、どことなく不気味だとするユーザーによってバイラル化。「The Backrooms」などに代表されるように、ネットミームとして扱われるようになった。

プレイヤーはそんな「リミナルスペース」である、不気味な無人のプール施設に放り出されることになる。本作ではUIやダイアログは表示されず、明確な目的を示すジャーナルも存在しない。それでも、誰もいない空間に反響する自分の足音や水の音、細部のディテールや質感にこだわった無機質な空間が閉塞感と恐怖を演出。また探索を進めるごとに周囲の環境が変化していき、新たな謎が生まれるとのこと。周りの状況に注視しながら探索することが本作の重要な目的となる。

本作は発売後さっそく、Steamユーザーレビュー約750件中94%が好評とする“圧倒的好評”ステータスを獲得するなど好調な滑り出しを見せている。ストアページの表記通り、プレイヤーを追う敵対存在や明確な恐怖演出などは出現しない。それでありながら広大な無人のプールの不気味な雰囲気はしっかりと作りこまれており、目の前に広がる謎の空間に対して言葉にできない不安や恐怖感を味わえる点が高い評価を獲得している。リミナルスペースやThe Backrooms系のウォーキングシミュレーターが好みのプレイヤーであれば楽しめるつくりになっているだろう。

本作の開発を手がけるのはインディースタジオのTensoriだ。Steamでは本作がデビュー作となる。同スタジオはもともとUnityのアセットを多数制作しており、登場するオブジェクトの存在感や空間のデザインには、そうしたノウハウが活かされていると思われる。

また、本作の無料アップデートや VR サポートの可能性を含む将来の開発は、ゲームの商業的成功にかかっているとのこと。好調なスタートを切っていることもあり、将来的には本作の新たな展開についても言及される可能性もあるかもしれない。続報に期待したいところだ。

『POOLS』はPC(Steam)にて発売中。価格は1250円のところ、5月4日までリリース記念セールにより10%オフの1125円で購入可能(いずれも税込)。本稿執筆時点ではデモ版がダウンロード可能だ。

Jun Namba
Jun Namba

埼玉生まれBioWare育ちです。悪そうなやつはだいたいおま国でした。RPG全般が好きですが、下手の横好きでいろいろなジャンルに手を出しています。

記事本文: 401