ファンタジーSRPG『ヴェスタリアサーガⅠ+』PC向けに無料公開。ゲームクリエイター加賀昭三氏の描く戦いが、遊びやすくリメイク

 

Vestaria Projectは4月25日、『ヴェスタリアサーガⅠ+(ヴェスタリアサーガⅠ+~亡国の騎士と星の巫女~)』をPC向けに公開した。 Vestaria ProjectのCi-enより無料でダウンロード可能となっている。『ヴェスタリアサーガ I 』をベースに理不尽な部分を調整しつつ、新要素が取り入れられているようだ。

『ヴェスタリアサーガ I』公開当時のPV

『ヴェスタリアサーガⅠ+』は、2016年9月に公開されたPC用フリーゲーム『ヴェスタリアサーガ I』のリメイク作品。オリジナルの『ヴェスタリアサーガ I 亡国の騎士と星の巫女』は、クリエイターの加賀昭三氏が中心となって制作した、オリジナルのファンタジーSRPGである。舞台となるのは、セルロン大陸の北西にあるヴェスタリア島だ。同島は8勢力によって統治。南東部に位置するメレダ王国では、大陸を支配する帝国との交易を一手に担うなど、ヴェスタリアの最強国とされていた。しかしある時、メレダ王国と帝国間で戦争が勃発。メレダ王国のフリスト公爵が帝国の船を焼いたことがきっかけで、メレダ王国は滅亡の危機へ陥っているのだという。

主人公・ゼイドは、メレダ王国の属邦レデッサ王国の公子である。戦いの中、ゼイドはアトル王女と共に都から逃れ、南西部にあるベネキア共和国を目指す旅へ出発。亡き父から託された剣を手に、過酷な運命へ立ち向かっていく。


ゼイドたちの戦いは、ターン制のSRPGとして表現されている。同作では戦術マップ上にて味方ユニットを操作し、多数の敵ユニットと戦いを繰り広げる。各マップではシナリオの状況が表現されており、勝利条件を満たすとマップクリア。特定地点への到達やボスの撃破など、条件の達成を目指してユニットを動かすのだ。武器や魔導書なども含めて、アイテムには使用回数が存在。レベルやクラスチェンジといった成長要素や、地形効果なども用意されている。高い難易度による歯ごたえのあるゲームプレイも特徴だろう。ゲームモードとしては、ユニット育成が容易になる救済モードも用意されていた。


本作『ヴェスタリアサーガⅠ+』では、『ヴェスタリアサーガ I』をベースに変更が加えられている。大きな変更点としては、いつでもセーブ/ロードが可能となった。オリジナル版では、攻略中のセーブは5ターンごとに限定されていた。本作ではいつでもセーブ/ロードが可能になり、大幅に遊びやすくなっている。セーブ/ロードの制限が解除されただけでなく、あわせて評価点システムが導入。戦闘中にロードをすると、評価点が減少するという。高評価を目指すやりこみも用意されているわけだ。

また本作では、オリジナル版から調整も実施されている。理不尽な部分をなくすことが目的とされており、全体的な難易度が下がっているという。X(旧Twitter)上のポストを見る限りでは、マップや一部ユニットなどが調整の対象となり、追加イベントも用意されているようだ。そのほか新要素としては、盾アイテムや移動前特殊攻撃スキル、挑発アイテムなどが追加。護衛スキルやランス、防御系スキルへの物理/魔法ごとのダメージ率設定などもおこなわれている。ゲーム後半では「拠点システム」も登場し、編成や小マップでのレベル上げも可能になるそうだ。遊びやすく進化したリメイク版となるわけだ。


本作は、加賀昭三氏を中心としたVestaria Projectによって制作されている。同氏は、初期の『ファイアーエムブレム』シリーズなどに携わってきたクリエイターだ。公式サイトによると、『ヴェスタリアサーガ I』は同氏のブログ上に掲載されたリプレイへの要望をきっかけに、有志15名程度が参加してSRPGとして開発。参加者が個人の楽しみとして制作した、同人企画のフリーソフトとして2016年に公開された。なお英語/中国語(簡体字)に対応した有償のSteam版では、記事執筆時点でユーザーレビュー875件中86%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得している。

本作『ヴェスタリアサーガⅠ+』は、そんな『ヴェスタリアサーガ I』のセルフリメイクとなるわけだ。また関連作としては、『Vestaria Saga 外伝-シルヴァビルヒの聖なる剣』、『Vestaria Saga 外伝-ルッカの英雄』などが公開中。「ヴェスタリアサーガ」は二部構成となっており、2022年時点のポストでは準備段階とされている。


『ヴェスタリアサーガⅠ+』は、PC向けに公開中。Ci-enにて無料でダウンロード可能となっている。