火災被害で焼失したゲームセンター「レトロゲーム秘密基地」、再建を目指すクラファン開始。“二度目”の悲劇、それでも諦めない

 
Image Credit: レトロゲーム秘密基地 on X

ゲームセンター「レトロゲーム秘密基地」の店主・鳥居秀憲氏は4月21日、CAMPFIREにてクラウドファンディングキャンペーンを開始した。目標額は1000万円で、期間は5月30日まで。同店は今年2月に火災に見舞われ、再建を目指している。クラウドファンディングキャンペーンは本稿執筆時点で535人から約630万円が集まるなど、さっそく多数の支援が寄せられている。


「レトロゲーム秘密基地」は2019年、青森県十和田市にオープンしたゲームセンターだ。2021年にはコロナ禍により一度閉店したものの、2022年に同じ十和田市内に移転し再オープンを果たしていた。同店は、店主である鳥居秀憲氏が個人で経営。80年代~90年代のアーケードゲームを遊びつつ、駄菓子が食べられるというコンセプトだった。鳥居氏が蒐集していた筐体や基盤のほか、常連客が持ち寄った基盤や寄贈品など、さまざまなレトロゲームが取り揃えられていた。レトロゲームバーも併設され、訪れた客と店主の交流の場も設けられていた。

ところが、2月24日に近隣で火災が発生し、同店に延焼。これにより店舗はおろか、扱っていた筐体や基盤のほとんどが焼失してしまった。その時の様子は鳥居氏X(旧:Twitter)アカウントにて報告されていた。


その後、鳥居氏のXアカウントでは、瓦礫の片付けを通して基盤や筐体の掘り起こしがおこなわれていることが報告されてきた。また同氏はあわせて、店舗再建の希望を捨てていないという想いも伝えていた。そして4月21日、CAMPFIREにて再建に向けたクラウドファンディングキャンペーンが開始。目標額は1000万円で、期間は5月30日まで。集めた資金の大半は火災で失った筐体の再購入や、新たな店舗となる物件取得の費用などに充てられるという。できれば十和田市で再開したいものの、条件に合う場所がなければほかの町に移転する可能性もあるとのこと。

同クラウドファンディングキャンペーンは開始から約1日半で、目標額の半分である500万円を達成。さらに、本稿執筆時点で支援者数535人から約630万円が集まっている。なおキャンペーンにはリターンも設けられており、店主からメッセージをもらえる3000円から、一日店を貸し切れる5万円までさまざまなものが用意されている。


鳥居氏のブログによれば、「駄菓子屋ゲーセンが人生で一番やりたかったこと」だったという。同氏は祖母の経営していた駄菓子屋兼ゲームセンターで育ったとのことで、夢を叶えるかたちで経営されていた「レトロゲーム秘密基地」には深い思い入れがあったのだろう。

なお火災のあと鳥居氏のもとには、代わりの場所の提供に関する打診や、常連客から基盤や筐体が届くなどの支援もあったようだ。そうした温かな後押しを受けつつ、今回のクラウドファンディングキャンペーンを達成して火災から立ち直り、新店舗として“二度目の復活”を果たすことを祈りたい。「レトロゲーム秘密基地」のクラウドファンディングキャンペーンは、CAMPFIREにて実施中だ。