『バルダーズ・ゲート3』開発元のLarian Studios、オリジナルIPの新作を2作品開発中。CEOいわく同スタジオ“過去最高”の作品開発がダブル始動
Larian Studiosは4月18日、『バルダーズ・ゲート3(Baldur’s Gate 3)』のSteamニュースハブを更新した。そこでは、現在独自IPによる2つの新プロジェクトに取り組んでいることが明かされた。
Larian Studiosは、ベルギーに拠点を置くデベロッパーだ。『Divinity』シリーズなどRPG開発に定評があり、直近では『バルダーズ・ゲート3(Baldur’s Gate 3)』の開発を担当。ファンタジー・テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の第5版ルールをベースとしたRPGだ。同作は非常に高い評価を獲得し、「The Game Awards 2023」における「Game of the Year(GOTY)」の受賞をはじめとして、昨年から今年にかけて数々の賞を総なめにした。今年3月時点で約1500万本を売り上げているなど、広範にわたって人気となっている。
同スタジオについては、CEO・Swen Vincke氏が日本時間3月22日にGame Developers Conference(GDC)に登壇した。同氏は『バルダーズ・ゲート3』に向けてこれからもアップデートは実施するものの、今後DLCの開発や、続編の開発をおこなわないことを明らかにしていた(関連記事)。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』IP権利元のWizards of the Coastからも、同IPを用いる新作ゲームについてはさまざまなパートナーと協議中であることが明かされており、Larian Studiosは関わらないかたちだ(PCGamer)。
そんな中、4月18日に『バルダーズ・ゲート3』のSteamニュースハブを更新。「Community Update #26 Evil Endings, New Beginnings」と題し、同スタジオの今後についての発表をおこなった。記事内では、Larian Studiosは独立系のスタジオとして、創造性に従う自由を大切にしていると、同スタジオのスタンスを明言。同作の約6年にわたる開発期間中に多くの議論と熟考を重ねたうえで、自社独自のIPを開発することに決めた(we’ve decided to seize this opportunity to develop our own IPs)、と明かした。なお同スタジオは現在2つの新プロジェクトに取り組んでいるとのことだ。
加えて、“興奮したSwen氏(Excited Swen)”は、やり遂げられるかは不明としつつも、物語やビジュアル、ゲームプレイなどの計画に注目すれば同プロジェクトは「“スタジオの過去最高の作品(our best work ever)”になると思う」と発言。今すぐユーザーに見せたいものの、本格的にプロジェクトが動くまで待たなければならないのが不満とのこと。発表したくてうずうずしているようでもある。
なお本ニュースでは『バルダーズ・ゲート3』に実装予定のパッチ7についての詳細も発表。バグ修正やパフォーマンス強化に注力しつつ、今後クロスプレイやフォトモードの実装をおこなう予定とした。また数々の賞を獲得したことについて、購入しプレイしてくれたユーザーや、開発中から寄せられた支援についての感謝も述べられている。
ちなみにLarian Studiosが過去に手がけたIPとしては、先述の『Divinity』シリーズや『The L.E.D. Wars』といったゲームが存在。新たなふたつのプロジェクトではそれぞれこの続編が制作されるのか、完全に新規のIPとなるのかは現時点では不明だ。『バルダーズ・ゲート3』を生み出したスタジオが、ダブルで次回作を開発するとのことで、注目されるところだろう。Larian Studiosによれば、これらプロジェクトはまだ初期段階とのこと。続報にも期待したい。