『ドラゴンズドグマ 2』周回データRTA、世界記録さっそく50分切り。最速を目指す“かまいたち連発”や、裸素手縛りなどクセ強走法も出現

カプコンが手がけ、先月3月22日に発売された『ドラゴンズドグマ 2』。本作のスピードラン(RTA)では、カテゴリーによってはさっそくクリア時間が1時間未満の記録が複数見られる。

カプコンが手がけ、先月3月22日に発売された『ドラゴンズドグマ 2』。発売後1か月足らずの本作のスピードラン(RTA)では、カテゴリーによってはさっそくクリア時間が1時間未満の記録が複数見られ、50分を切る記録も報告されている。なお本稿ではゲーム終盤の映像を含む動画を紹介しているほか、終盤の入手アイテムなどに言及しているため留意されたい。


『ドラゴンズドグマ 2』は、オープンワールドアクションゲーム『ドラゴンズドグマ』シリーズの新作だ。舞台となるのは人の王国ヴェルムントと獣人の国バタルが存在するファンタジー世界。プレイヤーは竜に心臓を奪われた覚者として、世界を冒険。竜を討ち、玉座へと昇る者の物語が描かれる

本作はメインストーリーのほかにもさまざまなクエストを用意。またオープンワールドとして構築されたマップでは魔物との戦闘や大型の魔物の乱入など、イベントやハプニングも巻き起こる。そうしたボリュームを備えていることもあってか、ゲームのクリア時間集計サイトHowLongToBeatによると、本作のメインストーリーのクリア時間は平均27時間半とされている。

一方で本作のスピードランコミュニティにおいては、NG+のDragon%カテゴリーにてさっそく1時間を切る記録も複数樹立されている。スピードランとは、日本ではRTA(リアルタイムアタック)とも呼ばれる、ゲームクリアなどの目標を達成するまでの時間を競う競技だ。NG+とはNew Game+、2周目以降のデータを用いてクリアを目指すカテゴリー。またDragon%は本作における通常エンディング到達までのタイムを競うレギュレーションだ。

今回、本作のNG+のDragon%カテゴリーで世界記録を打ち立てたとみられるのはDamage_Glitch氏だ。同氏が4月11日に投稿した下記の動画では通常エンディングまで48分10秒で到達しており、本稿執筆時点ではこのタイムが世界記録とみられる。


Damage_Glitch氏は覚者のジョブとしてシーフを使用。「かまいたち」のカスタムスキルを移動スキルとして駆使しており、スピーディで奇妙な動きを連発しながらマップを駆け巡っている。ちなみに同氏の覚者は周回プレイによりゲーム開始時点でレベル69に到達。アビリティとしては「猛撃」「練気」「速登」「速搬」「快動」「健脚」を採用している。スタミナ消費を抑えたり最大値・回復量を上げたりしつつ、よじ登り時や担ぎ上げ時のスピードを底上げする狙いがあるのだろう。

あっという間にヴェルンワースに到着したDamage_Glitch氏の覚者は、引き続きメインクエストを進行。酒場でベルントと落ち合うシーンでは、テラスにのそのそと歩いていくベルントを待たずに担ぎ上げ、ベルントの“定位置”に運んであげるという時短テクニックを見せている。速搬アビリティはここで活かされているわけだ。


その後もDamage_Glitch氏の覚者はヴェルムントの各地を“かまいたち連発”で疾風のごとく駆け巡り、手際よくバタルへの入国を果たしつつメインクエストを消化。刹那の飛石によるファストトラベルも活用しながら攻略を進めてゲームは終盤に差し掛かった。最終ボスを目前に、同氏は覚者のジョブをシーフからアリズンに変更。アリズンはステータスが低い代わりに、すべてのジョブの武器やスキルを用いることができる覚者専用ジョブだ。

Damage_Glitch氏が覚者をアリズンにジョブチェンジしたのは、最終ボス相手に「会心の矢」を用いるため。会心の矢とは、あらゆる敵を一撃で葬り去れるかわりに発射時に自動セーブされる特殊な矢。アリズンであれば、シーフのスキルであるかまいたちで引き続き高速移動が可能なうえ、アーチャーの弓を使って会心の矢も扱えるわけだ。こうして最終ボス戦開始後すぐさま会心の矢を放ったDamage_Glitch氏は、即座にボスを撃破。イベントを経て、48分10秒90のタイムで本作の通常エンディングにたどり着いた。

なおスピードラン走者のコミュニティサイトSpeedrun.comでは周回プレイデータを用いないNG(New Game)カテゴリーでのスピードランも存在し、本稿執筆時点での世界記録はVTuber日ノ森あんず氏の1時間19分32とされている。こちらでもシーフのかまいたちは活用されつつ、時おり迅身(ステップ)を挟んでスタミナを節約する移動法がとられている。また最終ボスを会心の矢で倒すといった攻略法も共通していることが確認できる。現状ではシーフによる“かまいたち連発走法”をベースにしたルートが、スピードランにおいて主流の様子だ。

ちなみに本作では一風変わったスピードランも実施されている。YouTube投稿者のInfected Durian氏は、装備を身に付けない“裸”状態、かつ武器ももたない素手縛りでのNG+スピードランを実施(GamesRadar+)。裸一貫で世界を駆け回り、拳と味方ポーンの攻撃だけを頼りに1時間43分32のタイムを記録している。本作では周回プレイが可能なこともあり、ビルドの幅が広がるNG+のカテゴリーでは自由なスタイルのスピードランも楽しまれているようだ。


発売から約3週間が経過した『ドラゴンズドグマ 2』。ビルドや攻略法の幅が広い作品であり、今後もスピードランコミュニティでどのようなルートが開拓されていくかは注目されるところだろう。

ドラゴンズドグマ 2』はPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに発売中。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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