『ファイナルファンタジーVII リバース』の「レッドXIIIのシュールなチョコボ乗り姿勢」は、開発者らも正直選ばれると思ってなかった。“おすわり禁止”のオーダーが生んだモーション

 

ファイナルファンタジーVII リバース』(以下、FF7 リバース)に登場するレッドXIII。本作におけるレッドXIIIのチョコボ乗り姿勢は、本作のクリエイティブ・ディレクターを務める野村哲也氏が選んだと、開発者インタビューにて明かされた。発案者である山地裕之氏と鈴木大氏によれば、このモーションが実際に選ばれるとは思っていなかったようだ。


『FF7 リバース』は、RPG『ファイナルファンタジーVII』を現代の技術で蘇らせるリメイクプロジェクトの第2弾。2020年発売の『ファイナルファンタジーVII リメイク』(以下、FF7 リメイク)に続く作品だ。前作で魔晄都市ミッドガルでの戦いを経た主人公クラウドと仲間たちは、本作にてセフィロスの影を追う新たな冒険を繰り広げる。

本作について3月29日、スクウェア・エニックスの公式YouTubeチャンネルにて開発者インタビューが公開された。動画は3本に分けて公開され、広大なフィールドやキャラクターの表現など、開発における裏話が語られている。

この開発者インタビューでは、レッドXIIIのモーションなどについても語られた。レッドXIIIは、人の言葉を操る赤毛の獣で、コスモキャニオンに生息する非常に長命な種族だ。前作『FF7 リメイク』にて、神羅ビルに捕らわれ実験サンプルになっていたところを、クラウドたちにより救出される。前作では終盤に登場することもあり、非プレイアブルなゲストキャラとなっていた。一方本作ではそのまま旅に同行する仲間のひとりとなり、操作も可能となっている。


レッドXIIIは本作中では、他のパーティーメンバーと同様にチョコボに搭乗する。並走するのではなく、上に乗るわけだ。通常では四足歩行で移動するレッドXIII。果たして本当にチョコボに乗る必要があるのかといったツッコミを含め、妙に達者でシュールな搭乗姿勢がSNS上で話題となっている。そんな搭乗姿勢について、バトルアニメーションディレクターの山地裕之氏やメインキャラクターモデラー兼リードキャラクターアーティストの鈴木大氏が動画内で経緯を語った。

本作ではレッドXIIIはプレイアブルキャラクターとなることもあり、フィールドアクションをクラウドたちと同じくおこなえるようにする必要がある。これはチョコボに搭乗する際のモーションについても同様だったとのこと。このときのモーションについて、山地氏は本作のクリエイティブ・ディレクターである野村哲也氏から、「おすわり」の姿勢はさせたくないとの希望があったと述べた。そのうえで、チョコボのくつわから伸びる手綱を握らせることが必須事項として存在していたそうだ。

山地氏はそうした条件を満たすポーズをいくつか作成し、野村氏に確認してもらったとのこと。動画にて鈴木氏が「正直選ばれるとは思ってなかったですよね」と苦笑しつつ訊くと、山地氏も思わず笑いながら突っ伏した。正直選ばれるとは思っていなかったものの、野村氏の采配により実際に本作のモーションに選ばれたようだ。ちなみに複数のバリエーションを作る際には、ちょっとした悪ノリもあったとのこと。そのいずれも、やはり本作でのモーションと同様に「多分面白い感じ」だったという。


今回開発者インタビューにて明かされた、レッドXIIIのモーションにおける裏話。そうした事情があったのだと知ったうえで見る搭乗モーションは、なかなか味があるといえるかもしれない。

また動画ではレッドXIIIに留まらず、ユフィやケット・シーなど、さまざまなキャラクターについての演出やモーションについて語られている。そのほか本作に関連する話も聞くこともできる。気になった人は公式YouTubeチャンネルにて動画を視聴してもいいだろう。

ファイナルファンタジーVII リバース』はPS5向けに発売中だ。