『Celeste』開発元新作メトロイドヴァニア『Earthblade』は延期して2025年以降発売へ。大変だったが助っ人を迎えて前向き開発中
Extremely OK Gamesは日本時間3月28日、『Earthblade』の発売を2025年以降に延期すると発表した。
『Earthblade』は、Extremely OK Games(以下、EXOK)が手がけるいわゆるメトロイドヴァニアジャンルの探索型アクションゲームだ。アクションゲーム『Celeste』を手がけたMaddy Thorson氏とNoel Berry氏が新たに開発中の新作となる。本作の主人公は、長き旅路を経て地球へ戻ってきた「Névoa」なる人物。シームレスに繋がった広大な世界を探索し、激しい戦いを繰り広げながら「バラバラになった地球の歴史」をつなぎあわせていくという。
本作は2021年より、開発中であることが明かされていた。また2022年には、ゲームの祭典The Game Awardsにて正式発表され、2024年の発売を目指して開発中であることが告知されていた。『Celeste』の人気・高評価もあり、ファンからは大きな期待が寄せられていた。今回、その発売予定について「2024年内には出ない」として延期が発表された。
EXOKは告知文にて、本作開発の現状や延期となった背景について伝えている。まず開発自体については、引き続き着実に進んでいるとのこと。開発陣も前向きに取り組んでおり、開発中止などの心配はないようだ。そして開発チームには新たなスタッフとして、『Depict1』や『Offspring Fling!』などを手がけたゲームデザイナーのKyle Pulver氏が参加。Kyle氏は、経験豊富なインディー開発者であり、Maddy氏を始めとするEXOKの面々ともかねてから親交が深い人物とのこと。
Kyle氏はさっそくゲームに関する大きな提案を持ち込んでくれたほか、今後の開発で起こりそうな問題を予防してくれたり、新たな視点を開発陣にもたらしてくれたという。力強い助っ人というところだろう。また、EXOKはこれまで意図的に開発スタッフを増やしていなかったという。コミュニケーションにかかるコストが増えるほか、経済的なプレッシャーが高まることが理由だったそうだ。また、小規模チームであることで、開発サイクルの高速化やプロジェクトの破棄と再開も容易であったとのこと。
一方で、開発を牽引するMaddy氏に高い負担がかかり、開発が停滞する「ボトルネック」となっていることにも気づいたそうだ。そのため、Kyle氏をチームに招くことを決断したとのこと。また、Maddy氏はトランスジェンダーであり、性別移行にまつわるプロセスも同氏の生活の負担となっているとのこと。同氏は性別移行について、「多くの変化と不確実性や疑念が関わる」と表現。そうした状況についてMaddy氏は絶望し、開発チームに謝罪するに至ったという。
しかしながら、スタッフのPedro Medeiros氏はMaddy氏に向けて、「不確実性はプロセスにおいて付き物である」と答えたという。そして、不確実なことが起こるのはMaddy氏のみの責任ではなく、チーム全員が協力してそうした問題に対処していく必要があると伝えたとのこと。そうした対話を経て、開発チーム全員が本プロジェクトの完成、およびお互いに対する信頼を深めたという。
なお、Maddy氏は現在、海外での性別移行にまつわる手術を経て帰国した直後とのこと。現在心身ともに回復期にあるとしたものの、深い安心感と「もつれた糸を解いていく」ように心が明瞭になっていく感覚があるそうだ。今後も前向きに開発が進められていきそうである。
『Earthblade』は2025年以降に発売予定。価格や対応プラットフォームは未定だ。