問題だらけ国家大統領シム『Suzerain』大型アプデ&DLC配信で過去最大に人集まる。頭を悩ませ交渉を重ねて国を動かし、2期目の再選を目指す
パブリッシャーのFellow TravellerとデベロッパーのTorpor Gamesは3月26日、『Suzerain』のPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)版向けに、バージョン3.0.0となる無料大型アップデートを配信開始した。また同時にDLC「Kingdom of Rizia」もリリースされ、これらを受けて本作のプレイヤー数は大きな伸びを見せている。
『Suzerain』はテキストベースの政治シミュレーションゲームだ。舞台となるのは架空の近現代風の世界の共和国、Sordland。同国は深刻な不況や好戦的な隣国、国内の分断や非民主的な憲法など、さまざまな問題に悩まされている。プレイヤーは同国の新大統領Anton Rayneとなり、1期目を通して国家を運営。2期目の再選を目指すことになる。
ゲームプレイは主に会話劇で進行する。大統領である主人公はいわゆる実務はおこなわず、閣僚や著名人などと会話し選択肢を選ぶことで国の方針を決め、課題の解決に取り組んでいくことになる。閣僚や著名人らはそれぞれの思惑をもつ、一筋縄ではいかない人物たちだ。また主人公の属する与党にも、大統領の政策に反対する派閥が存在。プレイヤーはそうした人々を説得したり取引したり、あるいは汚職に手を染めたりして、自らの政策を追求していく。国家予算には限りがあるため、何を守り何を捨てるかといった決断も問われることになる。
本作は2020年12月にリリースされた。Steamユーザーレビューでは、本稿執筆時点で約5700件中93%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。世界設定の緻密さや、政治的な駆け引きを描いたストーリー、課題だらけの国家を運営する難度の高いゲームプレイなどが好評を得てきた。
そんな本作に向けて3月26日、DLC「Kingdom of Rizia」がリリースされ、合わせてバージョン3.0.0となる無料大型アップデートが配信された。これらを受けて本作の同時接続プレイヤー数は大きく増加。これまでのピークだったリリース直後の約1100人という数字を大幅に更新し、直近のピークで約3400人を記録している(SteamDB)。
アプデではゲーム開始時の政府予算が増加し、また貿易協定を結んだ際に政府予算のボーナスが与えられるなど、予算面が緩和されている。一方、ゲーム内の少数民族Bludishからの初期評価は減少するなど、全体的なバランス調整がおこなわれた。またキャラクターカスタマイズ時にランダムボタンが追加され、主人公の容姿を自動で作成できるようになった。そのほかバグや誤字脱字の修正などがおこなわれているという。
またリリースされたDLC「Kingdom of Rizia」は本作に新たなシナリオを導入するものとなっている。新シナリオでは、本編の国とは違って君主制の、Rizia王国の新たな王Romus Torasとしてプレイすることになる。また同シナリオでは戦争システムが導入されており、軍隊を築いて外交と戦争で領地を拡大することができるという。一方平和を追求することもできるが、いずれにせよ国内の貴族や反君主主義者、外国勢力らに対処する必要があるとのこと。共和国だった本編のプレイとはまた一風違った、政治と戦争を巡るゲームプレイが展開されるようだ。
本作は2023年7月末にも大型アプデが実施されるなど、2020年のリリース以来サポートが続けられてきている。継続的なアプデで着実にファンを増やしてきた本作に、DLCと大型アプデが配信されたことで一斉にプレイヤーが集まり、同時接続プレイヤー数の記録を大きく更新したかたちだろう。なお現在、各ストアで本作のセールがおこなわれている。日本語表示には対応していないものの、興味のある方はこの機会に購入するのもよいだろう。
『Suzerain』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)向けに配信中だ。またモバイル版(iOS/Android)も配信されている。なお現在各ストアでセールがおこなわれており、Steamでは4月9日まで定価2300円のところ75%オフとなる575円で購入可能だ(価格はいずれも税込)。