ウクライナ政府が『マインクラフト』にて、ロシアに占領された町「ソレダル」を再現。ミニゲームや歴史学習、学校再建のための寄付も可能
ウクライナへの公式募金プラットフォームであるUNITED24は3月21日、『マインクラフト』Java Edition向けのワールド、「Minesalt」を発表した。フランスのクリエイターチームEndorahと共同で制作したという。
「Minesalt」は『マインクラフト』で、ウクライナ・ソレダルに存在する岩塩坑を再現したワールドだ。ソレダルはウクライナ東部ドネツク州にある市のひとつ。同市はヨーロッパ最大の塩の生産地として知られており、ウクライナ国内の塩の生産量の9割以上を占めていたという。しかしながら、2022年より続いているロシアのウクライナ侵攻によって、ソレダルも戦火に巻き込まれた。
ソレダルでは2022年から2023年にかけて戦闘が1年近くにわたっておこなわれ、2023年1月16日にはロシアがソレダルを占領したと宣言。ウクライナはソレダルに存在する岩塩坑を失うこととなった。
今回ウクライナの公式募金プラットフォームであるUNITED24は、フランス発のクリエイターチームEndorahとともに、そんなソレダルの町並みを「Minesalt」として『マインクラフト』上で再現した。UNITED24によれば、このプロジェクトで集められた寄付金は、ロシアのミサイルによって破壊されたVelyka Kostromkaの学校を再建するために使われるという。本稿執筆時点では、寄付総額は6億2323万6759ドル(約943億円)となっている。またこの「Minesalt」は、ソレダルの歴史だけでなく、ウクライナによる自由のための戦いを世界に伝える機会でもあるとUNITED24は述べている。
「Minesalt」のワールドに入ると、ブロックで再現されたソレダルの町に着く。そこでは岩塩坑に隠されたsalt crystal(塩の結晶)を140個集めきるまでの時間を競うこととなる。なおタイムアタックに参加しなくても、ゲーム内に再現されたソレダルの町を散策することが可能だ。岩塩坑の中にはNPCとして有名人や著名なウクライナ人がいることも。彼らからは、ソレダルの町や鉱山の歴史を聞くことができる。
ちなみに「Minesalt」においてはクリスタル集めタイムアタックの時間に応じたランキングも存在。クリスタルを集め、3つの質問に答えた上位プレイヤーにはXboxや「SOLEDARITY」と名付けられた塩のパックなどが商品として贈られるようだ。なおリーダーボードによれば、現在の1位は2分40秒でクリアしているようだ。気になった人は寄付やタイムアタックへの挑戦をおこなってもいいだろう。
「Minesalt」は現在『マインクラフト』のJava Editionにて利用可能だ。マルチプレイのダイレクト接続より、サーバーアドレスとして「mc.minesalt.net」と入力すると接続できる。