『ドラゴンズドグマ2』の課金アイテムに批判集まるも、「やってみたら別に買う必要なかった」報告も集まる。ゲーム中にも手に入る

カプコンは3月22日、『ドラゴンズドグマ 2』を発売した。本作には発売直後に少額課金要素の存在に批判が集まっていたものの、そうした批判への“反論”も寄せられている。

カプコンは3月22日、『ドラゴンズドグマ 2』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)およびPS5/Xbox Series X|S。本作には発売直後に少額課金要素の存在に批判が集まっていたものの、プレイを経たユーザーからはそうした批判への“反論”も寄せられている。

『ドラゴンズドグマ 2』は、オープンワールドアクションゲーム『ドラゴンズドグマ』シリーズの新作だ。舞台となるのは人の王国ヴェルムントと獣人の国バタルが存在するファンタジー世界。プレイヤーは竜に心臓を奪われた覚者として、世界を冒険。竜を討ち、玉座へと昇る者の物語が描かれる。味方NPC「ポーン」を連れ歩くシステムは本作にも引き続き登場。ジョブごとに異なる、多彩なアクションも健在だ。


本作は3月22日に発売され、PC(Steam)版の同時接続プレイヤー数はピーク時に20万人を突破。カプコンのシングルプレイゲームとしての最高記録を更新している(SteamDB)。一方で発売日時点のSteamユーザーレビューにおいては「やや不評」ステータスでのスタートとなり、発売から1日を経た本稿執筆時点では少し持ち直して約2万2000件中45%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっている。


有償DLCへの批判とプレイヤーの“反論”

批判を受ける一因となっていたのが少額課金要素の存在だ。本作ではゲーム内通貨「リム」やアイテムなどが120円~600円のDLCとして販売されている。このなかにはプレイヤーおよびNPCの蘇生に必要な「竜の鼓動」や、覚者およびメインポーンの外見を再編集できる「転身の秘術」といったアイテムもラインナップ。また任意の場所に設置できるワープ先指定アイテム「戻りの礎」もDLCとして販売されている。これらはゲーム内でも入手可能ながら比較的貴重なアイテムだ。重要なシステムに関わるアイテムをDLCとして販売し、課金に誘導にしているのではないかとして不評レビューも寄せられるかたちとなった。

一方で批判が集まっている少額課金要素について、ゲームを進めたユーザーからの“反論”も散見される。たとえば海外メディアGamers Heroesの編集長Blaine Smith氏は、覚者およびメインポーンの外見を再編集できるアイテム「転身の秘術」について言及。同アイテムを購入できるポーンギルドが存在する都市ヴェルンワースには序盤でたどり着けるうえ、購入に必要なリムも主にメインポーンがほかのプレイヤーに使われることで獲得可能だとしている。


またBlaine氏の投稿には、ヴェルンワース到達時にはすでに「転身の秘術」購入に必要な500リムが集まっていたというユーザー報告も寄せられている。つまり覚者とメインポーンの見た目を変えたくなった場合、メインポーンがほかのプレイヤーに使われていれば序盤でもDLCを買わずに変更することもできるわけだ。

このほか先行プレイしていたとみられる数十時間、あるいは100時間以上本作をプレイしたというインフルエンサーも課金要素を巡る議論に言及。プレイする分には課金要素があると気付かなかったという反応や、「転身の秘術」だけでなく「竜の鼓動」や「戻りの礎」を追加でDLCとして購入する必要性を感じなかったという意見を寄せている。


あくまでも時短

なお「転身の秘術」など一部のアイテムはゲーム内で通常入手できる個数が限られているとみられるものの、本作は周回プレイも可能。もし1周目で入手できる「転身の秘術」を使い切ってしまっても、周回プレイ時にキャラクターの見た目を変えることは可能だ。また「戻りの礎」については、単体ではファストトラベルを利用することは不可能。ゲーム内でのみ入手できる「刹那の飛石」がなければファストトラベルは使用できず、DLC未購入だとファストトラベル回数を制限されるわけではない。

つまり本作のDLCは“あると便利”なアイテムが、時短して入手できる選択肢として用意されている格好だ。基本的には、DLCを購入せずとも攻略上問題は生じないだろう。ちなみに蘇生アイテムやファストトラベルに関わるアイテムの貴重さは第1作『ドラゴンズドグマ』から引き継がれた仕様であり、ディレクターの伊津野英昭氏も前作からのコンセプトとして継承されたことを伝えている(弊誌インタビュー記事)。1周目では気軽に使えないバランスにされつつも、プレイヤーの選択肢として竜の鼓動やファストトラベルシステムが用意されている点も前作と同様だ。不便さはゲームの持ち味として設計されており、バランスも考慮されているとみられる。


ちなみに近年のカプコン作品では『バイオハザード RE:4』でも少額課金要素として「武器特殊改造チケット」が存在。武器の限定仕様への改造が即時可能なアイテムであった。ただし限定仕様への改造は、武器のそのほかすべての改造項目を最大にすることでも利用可能。攻略上かならずしも必要な要素でもなかった。また特殊改造チケットは、リソース「スピネル」との交換によってゲーム中にも入手可能。こちらも時間をかければ入手できたわけだ。

一方でプレイスタイルによっては、1周で入手できる個数ではそうした貴重なアイテムが物足りない場合もありうる。そうしたプレイヤー向けに時短となる少額課金要素として、各種DLCが用意されてきたかたちだろう。また、『デビル メイ クライ 5』や近年の『バイオハザード』メインシリーズにも類似の課金DLC要素は存在し、いずれも特に購入せずともプレイに支障が出ないような調整となっていた。過去には今回『ドラゴンズドグマ2』に投じられたような批判も寄せられており、改めて少額課金要素への疑問が多くのユーザーの間に広まったかたちとなっている。


なお『ドラゴンズドグマ 2』のSteamユーザーレビューにおいては、PC版の最適化不足も不評の一因となっている。クラッシュやフリーズが頻発したり、フレームレートが低下したりといった報告も散見される状況だ。こうした状況を受けて、カプコンは謝罪と共にPC(Steam)版で報告されているクラッシュやフリーズといった重篤な不具合から調査・修正を進めていくとし、近日中にパッチを配信すると表明。またフレームレート低下の問題に関しては、今後の対策で対応できる方法を検討していくとした。ゲームのプレイ途中で、ゲームを最初から始める選択を可能にする準備も検討されているという。

しかし「リム」や「戻りの礎」「竜の鼓動」といったDLCについては、ゲーム内でも入手できる点が強調されている。現時点でゲーム中に入手できる数などについて調整予定があるかは不明だ。

ゲーム内で入手可能なアイテムがDLCとして販売されたことを巡って巻き起こっている『ドラゴンズドグマ 2』における賛否。プレイスタイルによってはそれらを潤沢に備えておきたい需要も想定される一方で、基本的にはDLCで買い足さなくとも攻略は可能なバランスであるといった見方もある。今後プレイヤーが攻略を進めるなかで「賛否両論」となっているSteamの評価ステータスがどのように変化していくかは注目される。

ドラゴンズドグマ 2』はPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに発売中。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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