Blizzard Entertainmentから基本プレイ無料にて展開されている『オーバーウォッチ2』。その本作の今後について、関係者によれば、本作ではこれ以上PvEコンテンツの展開をせず、代わりにPvPコンテンツに注力するとの方針だという。海外メディアBloombergなどが報じている。
『オーバーウォッチ2』はBlizzard Entertainmentが手がけるオンライン対戦FPSゲーム。基本プレイ無料にて2022年10月5日より提供されている。前作からの変更点として、既存ヒーローの調整および新ヒーローの追加などが実施。また、6対6から5対5へと対戦人数が変更されている。シーズン制での運営がおこなわれており、各シーズンでは無料バトルパスおよび有償のプレミアム・バトルパス向けの報酬が用意されている。
本作は配信開始当初、PvPコンテンツを主軸として展開されたものの、大規模なPvEモードの登場が2023年内に登場すると予定されていた。しかしながら2023年5月にはスキルツリーによる強化システムが中止されるなど、当初からの実装予定が変更されることが告知(関連記事)。そして同年8月には有料ダウンロードコンテンツ(DLC)「インベージョン・バンドル」としてPvEモードとなるストーリー任務「インベージョン」が配信された。
今回Bloombergが関係者証言として伝えるところによると、DLC「インベージョン・バンドル」の売上は振るわなかったという。この影響を受け、今後のPvEコンテンツについて、予定されていた残りの分については開発中止となり、代わりにPvPコンテンツの開発に力が注がれる方針となるようだ。
なおBlizzard Entertainmentの広報担当者Andrew Reynolds氏がBloombergに伝えるところによると、この決定についてはコミュニティからのフィードバックを受けた結果とのこと。同氏は、ビジネスおよびゲームの将来どちらにとってもいい影響を及ぼすだろう、との見解を示している。
また関係者証言によれば、この売上不振によって開発者のボーナスは0%の支給、つまりボーナスなしとなると通告されたそうだ。Blizzard Entertainmentでは今年1月に、親会社となるマイクロソフトのゲーム事業部門の大規模レイオフの影響を受け、一部社員のレイオフが実施されていた。このレイオフの一環でPvEコンテンツのデザイナーなどを含め、PvE部門の人員の多くが同社を去ったことを報告していた。
内容の変更や紆余曲折ありつつもようやく実装されたPvEモードであったが、今回の報道や元開発者のレイオフ報告を見るに、今後新たな展開が用意される見込みは薄そうだ。一方で本作では、今回の報道では「PvPモードに注力される」ことも示された。またシーズン10より新ヒーローがバトルパスの開放を経ずに使用できるようになることが明かされており、プレイヤーのフィードバックを反映するかたちで、オンライン対戦FPSとしての展開が続けられていくこととなるのだろう。
『オーバーウォッチ2』はPC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに基本プレイ無料で配信中だ。