『ドラゴンズドグマ2』の獣人は“毛のふさふさ”処理が重すぎて初代には登場させられなかった。技術の進歩で伊津野Dの念願いろいろかなう
『ドラゴンズドグマ 2』のディレクター伊津野英昭氏によると、同作にて登場する獣人は、第1作『ドラゴンズドグマ』の開発当初から構想されていたという。当時の技術では毛皮をもつキャラクターを複数描画することが難しかったため、第1作からは削られてしまったとのこと。『ドラゴンズドグマ 2』では獣人も含め、第1作では構想どまりだったさまざまな要素が実装されているようだ。
『ドラゴンズドグマ 2』は、オープンワールドアクションゲーム『ドラゴンズドグマ』シリーズの新作だ。舞台となるのは人の王国ヴェルムントと獣人の国バタルが存在するファンタジー世界。プレイヤーは竜に心臓を奪われた覚者として、世界を冒険。竜を討ち、玉座へと昇る者の物語が展開されるという。味方NPC「ポーン」を連れ歩くシステムも引き続き登場。ジョブごとに異なる、多彩なアクションも健在のようだ。
シリーズ第1作となる『ドラゴンズドグマ』は2012年5月にPS3/Xbox 360向けに発売された作品だ。約12年ぶりのナンバリング新作発売が迫るなか、本作の海外向け公式Xアカウントにて『ドラゴンズドグマ』に引き続き新作でもディレクターを務める伊津野英昭氏のコメントが伝えられた。本作に登場する新種族「獣人(beastren)」に関する言及だ。
伊津野氏によると、獣人は当初第1作『ドラゴンズドグマ』にも登場させる予定だったという。しかし当時の技術では毛皮に覆われたキャラクターを画面上に複数表示させることが困難だったそうだ。そのため本作『ドラゴンズドグマ 2』にて、ついに第1作の構想を実現させられると綴られている。
本作には先述のとおり獣人の国バタルが登場するほか、重要人物として獣人の巫女ナデニアが登場。獣人は物語にも大きく関わる存在と見られる。またプレイヤーは主人公の覚者の種族に獣人を選択することも可能で、毛並みや模様を細かく設定可能。さらに弊誌で先行プレイにて確認した範囲では、覚者の種族の違いによって作中のNPCからの態度や一部の攻略アプローチも変化を見せていた(該当記事)。最新の技術が活用されつつ、獣人が存在感を放つ世界観が構築されたようだ。
なお伊津野氏は弊誌のインタビューに向けても、獣人を含め当時のプラットフォームでは実現できなかったものの『ドラゴンズドグマ 2』にて実装できた要素を明かしていた(該当記事)。同氏によればポーンに感染する伝染病のようなステータス異常「竜憑き」も、第1作では実現できなかった要素のひとつだそうだ。竜憑きに感染したポーンは普段よりステータスが向上するほか、不自然なほど強気になるなど挙動が変化。頼もしくなる一方で、症状が末期にいたると“大いなる災い”を引き起こすと言い伝えもあるという(PlayStation.Blog)。
このほか『ドラゴンズドグマ 2』ではフィールドと街やダンジョンなどがすべてシームレスに繋がっているとのこと。また同時に登場するNPC、ボスや敵の数も増加し、さらに冒険の戦略性も深まっているそうだ。
なお伊津野氏にとって『ドラゴンズドグマ』は、TRPGをベースにしたゲームブックとアクションゲームが大好きだった少年時代に夢見ていたゲームを形にした、ひときわ愛着の深い作品だったという(PlayStation.Blog)。『ドラゴンズドグマ 2』では第1作開発当時に技術的に導入が難しかったアイデアが盛り込まれているとされ、獣人をはじめ、さまざまな点で伊津野氏のビジョンが実現されているのだろう。約12年ぶりに、最新技術を結集させて作られたナンバリング新作に注目したい。
『ドラゴンズドグマ 2』はPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに、3月22日発売予定。また、ゲーム本編に引き継ぎ可能なキャラクリエイトアプリ「キャラクタークリエイター&ストレージ」が各プラットフォームにて無料配信中だ。