「Discord内ゲーム」開発キット、テスト公開。マルチプレイで遊べるアクティビティを作って、収益化も可能

 

Discord社は3月19日、埋め込みアプリSDK(ソフトウェア開発キット)を公開した。同開発キットでは、Discord内でプレイ可能なゲームなどのアクティビティを開発することが可能となっている。


Discordはコミュニケーションツールだ。ユーザーは自由にサーバーを立てて、ほかのユーザーとの集いの場にできる。同ツールではテキストでのチャットのほか、音声による複数人でのボイスチャットや映像配信も可能だ。

またDiscordでは「アクティビティ」として、ボイスチャットに参加している人とともに、さまざまなゲームをプレイすることができる。現在ではお絵かき伝言ゲーム『Gartic Phone』や、ポーカーを最大7人までプレイできる『Poker Night』など、19種のアクティビティが展開中。ボイスチャットで会話をおこないつつ、ゲームをしたり一緒に動画を見たりといった活動が可能となっている。


そしてDiscord社は3月19日、アクティビティが開発可能となるキットである、埋め込みアプリSDKを発表した。npmやGitHubより入手可能となっている。またキットの具体的なインストール方法やコマンドリファレンスなどは開発者ポータルにて確認できる。

なおこの開発キットについては、現在まだ開発者プレビュー(Public Developer Preview)段階にあるようだ。そのため、いくつかのコマンドが利用できなかったり、制限事項が加えられたりしている。たとえば埋め込みアプリSDKにて制作したアクティビティは、ユーザー数が25人以下のサーバーでのみプレイ可能となっている。

また正式リリースではアクティビティ内でのアプリ内課金を設定することも可能となる予定ながら、今回の開発者プレビューでは利用できないようだ。なお公式サイト上では「収益化」も近日公開予定の項目となっており、課金要素とあわせてマネタイズが可能な機能となるのだろう。


ちなみに、Discordは3月12日に開発者向けニュースとして、アプリ制作コンテストとなる「Discord App Pitches 2024」の開催を発表している。応募期間は4月1日から5月1日までだ。同イベントでは、埋め込みアプリSDKを用いて制作されたアプリを「競争」「一緒に冒険」「収集と創造」「リラックス」「ワイルドカード」の5つのカテゴリーから1つ以上選んで応募。審査員やユーザーの投票によってカテゴリー賞、最優秀賞が決定される。最優秀賞受賞者には3万ドル(約450万円)が授与されるほか、1つ以上の場所でのアプリの掲載も保証されるとのこと。

【UPDATE 2024/3/19 10:55】
米ドルの日本円換算を修正

今回開発者向けに公開された、Discordのアクティビティ開発キットである埋め込みアプリSDK。Discord App Pitches 2024が開催されることもあり、今後アクティビティにユーザー作成コンテンツが並んでいくこともありそうだ。埋め込みアプリSDKの正式リリースや、App Pitchesに応募される作品など、アクティビティを取り巻く流れにも注目したいところだ。


ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。