『Apex Legends』公式大会決勝にて「勝手にチート付与される」ハッキング騒動が発生し試合延期。前代未聞の状況で猛烈に慌てるプロ選手ら
『Apex Legends』の公式世界大会「Apex Legends Global Series」(以下、ALGS)運営は3月18日、「ALGS Split 1 Pro League」北米リージョンファイナルの延期を発表した。この決定の裏には、出場選手たちが相次いで「チートを勝手に付与される」ハッキング被害を報告したことがあるようだ。
今回延期が発表されたのは、ALGS Year4 Pro League Split 1北米リージョンの決勝戦だ。同リーグでは、オンラインにて1日に複数回のマッチをおこない勝者を決していく。日本時間3月18日には、北米リージョンにおける決勝戦となる一連のマッチが実施されていた。しかし、同日大会運営は上述のツイートにて決勝戦の延期を発表。その理由としては、「競技的公正性(competitive integrity)が損なわれたため」とされており、近いうちに詳細を伝えるとのこと。
大会運営が「競技的公正性が損なわれた」として言及したのは、相次いで発生した「出場選手からのチート付与報告」を指していると見られる。本日の一連の決勝戦においては、まずDarkZero所属のGenburten氏がハッキング被害を報告。試合の真っ最中に、いきなり全プレイヤーの姿が障害物越しに明らかになる、いわゆる「Wallhack(ウォールハック)」状態となった様子だ。
Genburten氏は状況に困惑を示しつつ、チームメイトに状況を説明しゲームを離脱することとなった。なお、その様子をおさめた映像では、Genburten氏がチートツールを勝手に起動させられているような挙動も見られる。
同日の試合ではさらに、TSM所属のImperialHal氏もハッキングの被害を受けた様子だ。同氏については、照準がほかプレイヤーにぴったりと自動追従する、いわゆる「Aimbot(エイムボット)」を勝手に起動させられたと見られる。同氏についても、チートが起動していると気づいた瞬間「俺チートしてる!(I’m cheating!)」と連呼し大困惑の様子を見せた。
また、RepsことJordan Wolfe氏と思われるチームメイトから「ゲームから抜けろよ!(Leave the game!)」とツッコまれるも、「撃たなかったらどうなるかな?」と銃を封印しての戦闘を検討するなど、とにかくチートの影響を避けつつ試合を継続しようとする姿勢が見えた。「公式大会の試合中に、いきなりチートを付与される」という前代未聞の状況に、選手によっても判断が分かれたようだ。
なお、Genburten氏の被害当時の映像においては、同氏がハッカーによるメッセージと思われる文章を強制的にチャットで発言させられている様子が見られる。その文章上では、犯人と思われる2人の名前が名乗られていた。今回の攻撃が各選手のPCを狙ったものなのか、それとも『Apex Legends』のクライアントやサーバーの脆弱性に起因するものなのか、公式見解は今のところ明らかにされていない。原因や延期された決勝戦の詳細含め、続報が注目される。