脱力シュールな映画館経営シム『Movie Cinema Simulator』好評集めつつ正式リリース。ポップコーンづくりから暴漢退治・筋トレ・釣りまでこなす大忙しシネマ勤務

Akhir Pekan Studioは3月8日、映画館運営シミュレーションゲーム『Movie Cinema Simulator』を正式リリースした。早期アクセス時代からユーザーからの好評が集まっている作品だ。

デベロッパーのAkhir Pekan Studioは3月8日、『Movie Cinema Simulator』を正式リリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)/iOS/Android。シンプルなグラフィックながら多彩なコンテンツを備えている点などから、早期アクセス時代からユーザーからの好評が集まっている作品だ。


『Movie Cinema Simulator』は、一人称視点の映画館運営シミュレーションゲームだ。祖父の映画館を受け継いだ主人公は、ボロボロの映画館を復興しつつ、過去の栄光を取り戻すことを目指す。

プレイヤーが映画館でおこなう業務はさまざまだ。まずは受付で観客にチケットを発券する必要があり、年齢制限のある映画では年齢の満たない客や、満席の映画を見たがる客は追い返さなければならない。またお客が欲しがる味のポップコーンを作ったりホットスナックを作ったり、上映後には館内を掃除したり。機材が壊れたら修理する必要もあるなど、なにかと忙しない業務をこなすのだ。ゲームが進行し、経営に余裕が出れば、従業員を雇うことも可能だ。

また資金を使って映画館を豪華にすることも可能。館内設備を増やしたり、アップグレードしたりしながらオンボロ映画館の復活を目指そう。そして映画館にとって重要なのは、上映するタイトルの選定だ。バイラル化している映画からイチオシの作品を選ぶ目利きも必要となる。

 


さらに映画館を出て街を探索する要素も用意。街中でさまざまなサイドクエストを請け負ったり、自宅の飾りつけに使える家具を購入したりすることができる。なお街中には白昼堂々と“カツアゲ”してくる輩もおり、素直にお金を払うか肌身離さず持ち歩いているバットで返り討ちにする必要がある。ならず者は映画館にもやってくるため、バットで叩きのめしてやろう。街にはジムもあるため、戦いに備えて鍛えておくのもいいだろう。

ちなみに上映作品として選べる架空映画やサイドクエストなどには、ゲーム中にはさまざまな実在映画からのオマージュも見られる。ホラー映画「スクリーム(Scream)」をもじった「Ice Cream」や、「ホーム・アローン」よろしく家に罠を仕掛けたがっている少年Kevinなど、なんとなくお間抜けな映画要素の数々も見どころだろう。

本作は昨年12月21日に早期アクセス配信開始され、先日3月8日に正式リリースを迎えた。本稿執筆時点ではすべてのレビューにて85件中96%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。定価税込580円と安価ながら、映画館の多彩な業務やサイドクエストさまざまな要素が盛り込まれている点などから評価が寄せられているようだ。またシンプルながらもメインストーリーがしっかり用意されている点も好評と受けている。

 


なお本作は早期アクセス中にアップデートを重ねてメインクエストやサイドクエスト、“釣りのミニゲーム”などの新規コンテンツの実装や、調整・改善などがおこなわれてきた。早期アクセス時にはチュートリアルの不親切さなどがユーザーから課題として指摘されていたものの、正式リリース版では新しい上映作品の追加方法や掃除のやり方などもしっかりと解説されている。正式リリースにあたっては早期アクセス中にはフィードバックが開発における指針となっていたことも伝えられており、ユーザーへの感謝が綴られている

本作を手がけるのはインドネシアに拠点を置くAkhir Pekan Studioだ。同スタジオは2022年6月に、インドネシア料理であるBakso(バクソまたはバソ)を売る屋台を経営する一人称視点シム『Bakso Simulator』を無料でリリース。無料作品ながら、複数回のアップデートも実施されメインストーリーの完成や追加コンテンツが実装されていた。本作『Movie Cinema Simulator』と同じくシンプルなグラフィックやどこか奇妙な世界観を備えつつ、やたらと盛りだくさんのコンテンツが用意された点から好評を獲得。Steamユーザーレビューでは本稿執筆時点で約1500件中94%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。

同スタジオはその後も『School Cafeteria Simulator』などの新作をリリース。『Bakso Simulator』で培ったノウハウを活かしつつ、本作『Movie Cinema Simulator』を含めさまざまなシミュレーションゲームを展開しているかたちだろう。のほほんとした雰囲気・シュールさや多彩なコンテンツなどのスタジオの持ち味は本作でも健在だ。スタジオの今後の活動にも注目したい。

『Movie Cinema Simulator』はPC(Steam)向けに発売中。iOS/Android向けには基本プレイ無料で配信中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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