『ファイナルファンタジーVII リバース』レッドXIIIは「犬か猫か」を巡って議論白熱。たぶん“ネコ科”、でもイヌっぽさも垣間見える


ファイナルファンタジーVII リバース』(以下、FF7 リバース)発売を受けて、レッドXIIIが「イヌかネコか」を巡る議論が白熱している。イヌ科っぽくもあり、ネコ科っぽくもあるようだ。なお本稿では『FF7 リバース』のクエストに関するスクリーンショットや記述があるため留意されたい。


『FF7 リバース』は、RPG『ファイナルファンタジーVII』を現代の技術で蘇らせるリメイクプロジェクトの第2弾。2020年発売の『ファイナルファンタジーVII リメイク』(以下、FF7 リメイク)に続く作品だ。前作で魔晄都市ミッドガルでの戦いを経た主人公クラウドと仲間たちは、本作にてセフィロスの影を追う新たな冒険を繰り広げる。

レッドXIIIは、人の言葉を操る赤毛の獣で、コスモキャニオンに生息する非常に長命な種族とされる(公式サイト)。前作にて、神羅ビルに捕らわれ実験サンプルになっていたところクラウドたちにより救出。終盤に登場することもあり、非プレイアブルなゲストキャラとなっていた。一方本作ではそのまま旅に同行する仲間のひとりとなり、操作も可能となっている。

そんなレッドXIIIに向けて、Redditの『ファイナルファンタジーVII』コミュニティにてユーザー間でとある疑問が投げかけられ、議論を呼んでいる。レッドXIIIが「イヌかネコか」という問いかけだ。


レッドXIIIは先述のとおり、公式にはイヌともネコとも説明されていない。そのためイヌかネコか、あるいはイヌ科かネコ科かをはっきりさせたいユーザーもいるようで、スレッド内ではレッドXIIIのさまざまな特徴を挙げて分析がおこなわれている。たしかにレッドXIIIの風貌はオオカミのようでもあり、ライオンのようでもある。

そんなレッドXIIIについて、たとえばユーザーのJobbieDeath氏は「爪を引っ込められない」「マズルが細長い」といった理由からイヌであると主張。ネコ科の動物であるネコやライオン、トラなどの足は普段は爪を引っ込める作りになっている。身を隠すときに音をたてたり、爪が消耗したりしないような仕組みといえる。一方でレッドXIIIはどんなときも爪を丸出しだ。少なくともゲーム中のグラフィックでは、いつでも立派な爪を見ることができる。もしレッドXIIIがネコ科だった場合、珍しい特徴といえるだろう。ちなみにネコ科でもチーターは、より速くスムーズに走るために、爪を一部しか引っ込めないという。


とはいえレッドXIIIはイヌやオオカミの近縁種とするには怪しいところが存在している。グラスランドエリアのクエスト「家畜を襲う魔獣」における言動だ。獣に家畜を襲われた牧場主を助けるクエストであり、レッドXIIIはこのクエストにて依頼主から“イヌ扱い”されたり、得意げに犯行現場のニオイを嗅ぎとったりとイヌっぽさを垣間見せる。しかしレッドXIIIいわく犯行現場のニオイは古くほかの獣のニオイと混ざっているといい、結局クエストではチョコボの鼻に頼ることになる。

クエスト中は自分の鼻によほど自信があるのかチョコボの鼻を疑っていたレッドXIII。とはいえチョコボの鼻のお陰で事件は解決し、レッドXIIIは「神羅のビルに居たせいで私の鼻は すっかりなまってしまった」と言い訳交じりに敗北を認める。神羅に捕まる以前の嗅覚の鋭さは不明であり、鼻の良さには疑問符がつくわけだ。イヌ科にも特段鼻の良くない動物はいるものの、少なくともイヌやオオカミの近縁種ではない可能性はありそうだ。


また鼻先から奥歯あたりまでの「マズル」については、先述のJobbieDeath氏が述べるように、たしかにネコ科には短めな動物が多い。ただオオカミほど細長くはないながらも、ライオンやトラのようにやや長めのマズルをもつ動物も存在。レッドXIIIはどちらともつかない風貌であり、ここもイヌかネコかを巡る議論が白熱しているゆえんだろう。レッドXIIIはオリジナル版『ファイナルファンタジーVII』にも登場していたキャラクターながら、リメイクによりさらに詳細に姿が描かれたことも、今になって議論を巻き起こした理由かもしれない。

レッドXIIIは先述のとおり「コスモキャニオンに生息する非常に長命な種族」とされている。そもそも人語を話しており、風貌が似ているだけで生物としてイヌ科でもネコ科でもない可能性はある。スレッド内でもイヌとネコと人間が均等に混ざっている、イヌでもネコでもない、種族不明などさまざまな意見が寄せられている。

なお2006年発売の公式資料集「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン ~Reunion Files~」においては、オリジナル版でキャラクターデザインおよびストーリー原案を務めた野村哲也氏がレッドXIIIについて言及。レッドXIIIが「ネコ科」であると明言していた。少なくともオリジナル版でのキャラクターデザインにおいては、ネコ科の動物がモチーフにされていたのだろう。同氏はリメイクプロジェクトのクリエイティブディレクターを担当しており、ネコ科としてのレッドXIIIのデザインがリメイク版に反映されている可能性はある。


いずれにせよ、素性がよくわからないミステリアスさもレッドXIIIの魅力かもしれない。落ち着いた声でクラウド一行に助言を与えるクールな一面もある一方、前作では笑ってみせろと言われて素直ににんまり笑うチャーミングさも見せていた。レッドXIIIがイヌかネコかはともかくとして、彼の謎に迫るべくコスモキャニオンを訪れてみるのもいいだろう。

ちなみに『ファイナルファンタジーVII』リメイクプロジェクトにてディレクターを務める浜口直樹氏は愛猫家。前作『FF7 リメイク』では愛猫のムサシくんをモデルにしたネコが登場していたそうだ(関連記事)。開発チームとしてはみんなネコとイヌが大好きだそうで、レッドXIIIのネコっぽい・イヌっぽい仕草や風貌には開発者たちの動物愛がそれぞれ反映されているのかもしれない。

ファイナルファンタジーVII リバース』はPS5向けに発売中だ。