地底探索×工場自動化シム『Techtonica(テクトニカ)』大型アプデv0.3で待望の「垂直ベルトコンベア」実装。高性能インサータや設備編集の新機能も加わり、工場の拡張・最適化がさらに捗る

デベロッパーのFire Hose Gamesは3月8日、『Techtonica(テクトニカ)』の大型アップデート「v0.3 Factory Efficiency update」を配信開始した。

デベロッパーのFire Hose Gamesは3月8日、『Techtonica(テクトニカ)』の大型アップデート「v0.3 Factory Efficiency update」を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)/Xbox One/Xbox Series X|S向けに早期アクセス配信。PC/Xbox Game Pass向けにも提供されている。最大4人でのマルチプレイに対応し、ゲーム内は日本語に対応している。

『Techtonica』は、地球外惑星Calyxの地底を舞台とした工場自動化シミュレーションゲームだ。プレイヤーは、Calyxに降り立った惑星調査員「グラウンドブレイカー」のひとりとなる。冷凍睡眠から目を覚ましたプレイヤーは、原因不明の災害によって停止してしまった管理システムを復旧するべく、資源採掘と部品製造を自動化して地底に工場を建設していく。

このたび弊誌では、Fire Hose Gamesよりv0.3アップデートのテストビルドを先行体験する機会をいただいた。本稿では、アップデート後の本作をプレイした筆者の所感を交えつつ、実装されたさまざまな新要素について紹介していく。

ユーザー待望のアイテム「垂直ベルト」登場、ベルトコンベアハブの手動設置も可能に

v0.3アップデート最大の目玉となるのは「垂直ベルト」だろう。その名の通り、垂直方向への運搬を可能とする新しいベルトコンベアである。事前に公開された開発ブログ動画のなかでも、ユーザーコミュニティから実装を求める声が多数寄せられていたと伝えられる、ユーザー待望の逸品だ。

これまでの本作においては、高低差のある区間に運搬ルートを敷く場合、ベルトコンベアを階段状に伸ばして繋ぐ必要があった。一方、今回加わった垂直ベルトでは、垂直方向へまっすぐ延長可能で、1×1タイル上に柱状の運搬経路が生成される。通常のベルトコンベア設置UIから、スワップすること(Vキー)で垂直ベルトの始点を設定。そのまま上下方向へ伸ばしていけば設置完了だ。垂直コンベアの両端には、物資の出入口となるボックスが付属し、上下でそれぞれ方向指定が可能だ。また、垂直コンベアにもMk-1からMk-3まで速度の異なる3種が用意されている。出入口のボックスが立体ということもありそれぞれの配色も映える。どこか可愛らしさを感じるフォルムだ。


既存のベルトコンベアに関しても、任意の場所にハブを設置する機能が追加されている。従来の仕様では、2本のベルトコンベアの交点に自動生成されるオブジェクトであった。これが、本アップデートからは独立した状態で設置可能となったかたちだ。ベルトコンベアを合流/分散させたい地点にあらかじめ設置しておけば接続先の目印にもなり、製造ライン構築をより円滑に進めることができるだろう。

最新設備「スタックフィルターインサータ」、自動選別と処理速度を両立した高機能モデル

工場稼働の要となるインサータには、新たに「スタックフィルターインサータ」がラインナップへ加わった。その外観はピンクとホワイトのツートンカラー。これまでのインサータがみな単色ということもあり、目新しい配色となっている。性能面に関しては、複数個のアイテムをまとめて移動するスタック機能と、アイテムを自動選別するフィルター機能を併せもっている。製造する際は、2種類のインサータと高機能回路を必要とするものの、製造コストに見合った性能を発揮するだろう。複数のアイテムを生成する脱穀機や、モノレール貨物地点の積み下ろし作業でも活躍してくれそうだ。アイテムの種類がごちゃ混ぜになってしまった未整理ストレージがある場合は、分別作業を任せておくのも良いかもしれない。


ストレージに関しても、使用タイルをあらかじめ制限する新機能が実装されている。こちらは、インベントリ下部にあるボタンを押して、ストレージのタイルをマーキングすることで利用可能。赤くマークされたタイルは、手動操作の一括収納およびインサータによる自動搬入のスペースから除外される仕様となっている。一方、手動操作の一括回収、およびインサータによる取り出し操作については制限がかからない点に留意されたい。手動操作で1タイルずつ収納していく場合には、制限タイル上であってもアイテムを収納していくことは可能だ。これらの仕様を上手く活用すれば、均等に配分した素材一式をひとつのストレージに用意しておく、といった工夫もできそうだ。

設置済みオブジェクトの複製と置換で、より快適な工場建設

「リプレイサーツール」は、指定したベルトコンベアやインサータを、任意のものと瞬時に置き換えるツールだ。大量に配置した既存設備を改良したい場面で大活躍するだろう。範囲指定による一括操作も可能。削除と再設置という二段階の工程が必要だった作業も、一度の操作で完了することができるのだ。工場規模を拡大する過程で、複雑に絡み合ってしまったベルトコンベア、無数のインサータでも心配無用でアップグレードに取り掛かれる。筆者のように、つい横着してMk-1ベルトコンベアを使い続けてしまうプレイヤーには、非常にありがたいツールだ。


もう一方のクイックコピーは、周辺にあるオブジェクトを選択することで、同じものを即座に設置可能となる機能だ。ゲームの進行にあわせてツールベルトが充実していくにつれ「あのアイテムはどこにいれたっけ?」と探すような場面も増えてくる。そんな時に便利なのがこのクイックコピーだ。既に配置済みのオブジェクトであれば、ホットキーを使わずに切り替え可能なため、先のアップデートv0.2Building Updateで追加された建築アイテムを組み上げていく際にも、非常に重宝するだろう。また、製造機やフィルターインサータなど、アイテム指定が必要な設備をコピーした場合、そのアイテム指定についてもオリジナルの状態を引き継いでくれる。特定アイテムの増産体制を構築する際にもうってつけの機能だ。

植物素材を「洗浄/中和」して抽出効率をアップ、圧縮素材のレンガも種類が豊富に

このほか、新たな製造レシピや中間素材アイテムも多数追加されている。特に目を引くのは、プランターで栽培するトモシヅルとヒヤシトゲに、新たな加工手順(中間素材)が加わったことだ。それぞれ対になる抽出物と組み合わせることで、脱穀前のトモシヅルの茎には「洗浄」、ヒヤシトゲの蕾には「中和」という下処理が可能となった。洗浄/中和済みのアイテムを脱穀した場合は、それぞれの副産物であった植物繊維と植物燃料が生成されなくなり、代わりに多くの抽出物が生成可能となるのだ。既に、本作を長時間やりこんでいるプレイヤーの中には、余らせがちな副産物の取り扱いに困っていたプレイヤーも少なくないだろう。より洗練された製造ライン構築を目指して、さらなる改修に挑戦してみるのもよいだろう。


さらに、ヒヤシトゲの抽出物ゲルに並ぶ高圧縮率な中間素材として、トモシヅル抽出物レンガ、アトランタム混合物レンガなども登場。それらのアイテムに対応した、大量生産用のレシピも用意されている。レンガ系統の中間素材は、脱穀機を通すことでいつでも加工前の状態へ戻すことが可能だ。過剰にため込んでしまった素材があれば、とりあえずレンガに加工してストレージ圧迫を予防するのも良さそうだ。

以上が大型アップデートv0.3にて加わった主な新要素だ。「Factory Efficiency」と銘打たれている通り、工場の規模拡張や製造ラインの改良をサポートする新機能が、ふんだんに盛り込まれたアップデートとなっている。上述した新要素以外にも、技術研究ツリーの解禁タイミング、内容の調整、操作性の向上やバグフィックスなど、様々なブラッシュアップが加えられている。ゲーム序盤では定期的なチェックが欠かせない「回転式発電機」は、手動操作後の稼働時間を5分間から30分間に延長する技術ツリーも実装されている。初心者の遊びやすさ改善も継続的に進められているようだ。より詳細な変更内容を確認したい人は、Steamストアページの公式パッチノート、またはFireHoseGames公式YouTubeチャンネルを参照されたい。

『Techtonica』はPC(Steam)/Xbox One/Xbox Series X|S向けに早期アクセス配信中。PC/Xbox Game Pass向けにも提供中だ。

Toru Ishikawa
Toru Ishikawa

雑食ゲーマー、好きな言葉は「Random loot」と「Permadeath」です。

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