『HELLDIVERS 2(ヘルダイバー2)』と『METAL GEAR SOLID V』(以下、MGSV)のアクションを比較する動画をユーザーが制作。走り方やしゃがみのほか、緊急回避や匍匐時の動作など意外にも多くの共通点があることが示され、注目を集めている。
『HELLDIVERS 2』は、2015年発売の見下ろしシューター『HELLDIVERS』の続編となるTPSだ。開発はArrowhead Game Studiosが手がけている。本作はソロプレイおよび最大4人でのオンライン協力プレイに対応し、PC版とPS5版の間でのクロスプレイもサポート。プレイヤーはエリート兵士ヘルダイバーとなり、宇宙生物のムシや、オートマトンと呼ばれる殺人ロボットの大群に立ち向かうミッションに挑む。本作は2月8日に発売され、ピーク時には同時接続プレイヤー数が45万8709人を記録するなど、高い人気を博している(SteamDB)。
一方『MGSV』はKONAMIから2014年から2015年にかけて発売されたタクティカル・エスピオナージ・オペレーションゲームだ。序章となる『GROUND ZEROES』と本編となる『THE PHANTOM PAIN』で分かれており、ビッグ・ボスが“悪に堕ちる”、報復をテーマとするシリアスな物語が描かれた。ゲームプレイは基本的に三人称視点のステルスアクションゲームとなっている。
今回、ユーザーにより『HELLDIVERS 2』と『MGSV』を比較した動画が制作され、両作のアクションが似ているとして注目を集めている。たとえば走り方やしゃがみ歩きのモーションが似ているほか、『MGSV』によく似た緊急回避からの匍匐といったアクションも『HELLDIVERS 2』に存在。また匍匐時に照準を動かして、うつ伏せから仰向けに体勢を変えながら狙いを付けられるといったシステムも共通している。
なお現時点での『HELLDIVERS 2』は、マルチプレイや敵の大群と戦うゲームプレイが主軸の作品だ。『MGSV』を彷彿とさせるステルス向けアクションは、あえてソロプレイで高難易度に挑戦する際などに活きる要素かもしれない。派手なゲームかと思いきやステルス向けアクションがさまざま備わっている意外性も、比較動画が注目を集めている一因だろう。
なかでもあるユーザーは、本作でステルス戦法を活用する様子を、Arrowhead Game StudiosのCEOであるJohan Pilestedt氏に報告。すると同氏はユーザーに、銃のサプレッサー(消音器)などがテストプレイで導入されていたことを明かしている。今後『HELLDIVERS 2』に本格的なステルス要素が登場する可能性もありそうだ。
なお弊誌で確認するかぎり『HELLDIVERS 2』の開発チームは、特に影響を受けた作品について具体的なタイトルを公言していないようだ。とはいえ見下ろしシューターであった前作からTPSに大きくジャンルを変えるにあたって、『MGSV』を含めさまざまな先発のTPSが参考にされたのかもしれない。動きに一定のリアルさを備えつつ、きびきびとした操作性の良さや自由度を備えたアクションが実現されている点も、『HELLDIVERS 2』が好評を博している理由のひとつだろう。
ちなみに、飛びこみ匍匐や匍匐から仰向けに照準を動かせるアクションは、2020年発売の『The Last of Us Part II』などでも見られた。同作もステルス要素のあるTPSであり、『MGSV』で見られたようなアクション群は以降のTPS作品で積極的に採用されてきた傾向もありそうだ。
そもそも『メタルギア』シリーズにおいても肩越し照準の導入など、TPSジャンルの流行を取り入れて進化してきた歴史もある。シリーズを通してさまざまな作品から良いところを取り入れ、独自の要素も編み出されながら洗練されてきたこともあり、約10年前に発売された『MGSV』のアクションは現代のゲーム開発においても参考とされる代表作のひとつとなっているのかもしれない。
『HELLDIVERS 2』は、PC(Steam)/PS5向けに配信中だ。また『MGSV』を手がけた小島秀夫氏が率いるKOJIMA PRODUCTIONSでは新作アクション・エスピオナージゲーム『PHYSINT(仮)』が開発中。