国内ゲーム開発者が独自世界観を披露するハッシュタグがSNSにて流行。やがてゲームにとどまらぬ広がりに

 
Image Credit : hinyari9

X上にて、「#たまにはこんな世界はいかがでしょうか」というハッシュタグが盛り上がりをみせている。国内のゲームクリエイター埜々原氏の呼びかけによって同タグが広がり、さまざまなクリエイターがオリジナルの世界観を紹介する画像とともにポストをおこなっている。


埜々原氏はゲームクリエイターだ。現在、日本のインディーゲーム開発チーム、洞窟ペンギンクラブにて『断崖のカルム』を制作している。イラストレーターでもある同氏は「#萌え建築」というタグを用いて、SNSなどに水彩タッチで描かれた建物のイラストを投稿する活動などもおこなっている。

そんな埜々原氏は2月17日、Xにてポストをおこなった。ポストでは同氏のイラストとともに、
「#たまにはこんな世界はいかがでしょうか」というハッシュタグを提唱。汎用性高そうなタグとして、クリエイターたちに利用を呼び掛けたかたちだ。これを受け、さまざまなクリエイターが同タグを使用。Xにてアーティストたちによるユニークな世界が次々と披露されることとなった。


たとえば個人ゲーム制作者のウマー氏は素早く反応を見せており、元のポストから20分ほどで同タグを利用しXに投稿。同氏が現在制作中のゲーム『RemainOnEarth』の世界観を紹介している。同作のドット絵で描かれた、寂れた近未来都市の世界は反響を呼び、同ポストは本稿執筆時点で2000を超えるいいねを集めている。


『溶鉄のマルフーシャ:Sentinel Girls』の制作者hinyari9氏も同タグを利用しXにポストしている。コンセプトアートやスクリーンショットを添付し、同作の舞台となるディストピア世界を紹介した。現在制作中の新作『救国のスネジンカ:Sentinel Girls2』のものとみられるスクリーンショットもお披露目され、前作から過酷さを増している給与の控除など、世知辛い世界観が注目を集めている。

また同タグはゲームクリエイターに限らず広がりをみせており、さまざまなジャンルのアーティストが同タグを利用。たとえばフリーランスイラストレーターのToy(e)氏は「獣が人類の領域を占拠する世界」としてイラストをポスト。またレゴアーティスト、パンノダ氏は「レゴで作った人間がいない世界」として作品を披露。さらにネイルチップ作家mono氏も、同タグを利用し装爪具の世界を紹介している。

『断崖のカルム』


同タグの提唱者、埜々原氏は以前弊誌のインタビューにて、同氏が現在制作中のゲーム『断崖のカルム』では世界観を大事にしていると語っている(関連記事)。独自の世界観を重視する埜々原氏の感性から、クリエイターにオリジナル世界の披露を促す同タグが生まれたのだろう。上記で紹介したほかにもさまざまなクリエイターが同タグで自らの作品を紹介している。興味のある方は「#たまにはこんな世界はいかがでしょうか」タグにて、アーティストたちのセンスが光る独自世界を覗いてみてはいかがだろうか。