Nintendo Switchでゲーム開発できる「プチコン」製の2作品、“Switch向けに発売”へ。ツール内作品からの商品化が本格始動

スマイルブームは、パズルアクション『OLLLO』および対戦落ち物パズル『まつけけBurst!』がSwitch向けに2月29日に発売されると発表した。当該2作品は、同社が提供するプログラミングツール「プチコン4 SmileBASIC」で制作されている。

ゲーム制作会社スマイルブームは、パズルアクション『OLLLO』および対戦落ち物パズル『まつけけBurst!』がNintendo Switch向けに2月29日、単独商品として発売されると発表した。当該2作品は、同社が提供するNintendo Switch向けプログラミングツール「プチコン4 SmileBASIC」で制作されている。また同社は、今回の作品の単独配信を機に、プチコン作品の単独商品化を進めていくとしている。


「プチコン4 SmileBASIC」は、Nintendo Switch向けに発売されているプログラミングツールだ。同作中では、プログラム言語「BASIC」を用いてシューティングやアクション、パズルなどのさまざまなゲームを作成でき、さらに画像集や計算機なども作ることもできる。そして「プチコン4 SmileBASIC」で作成した作品はサーバーにアップロード可能。他ユーザーの作成した作品を、自由にダウンロードして遊ぶことができるのだ。

パズルアクション『OLLLO』は能力を使って画面の端と端をつなぎ合わせ、ステージを攻略していく2Dパズルアクションゲームだ。プレイヤーは画面中央に表示されたキャラクターを操作。左右への移動とジャンプを活用して移動する。

ここで主人公は「オーロ」という能力を持っている。オーロを発動すると画面が固定され、中央に表示されていた画面の周囲に同じ画面のコピーが表示される。画面左端にはコピーされた画面の右端、画面上端にはコピーされた画面の下端が繋がるように映し出され、画面端でループする空間が生み出される。この能力を駆使して、通常では到達できないようなところへと向かうわけだ。

*『OLLLO』


また『まつけけBurst!』は対戦落ち物パズルゲームだ。ゲーム中では曲線が描かれたブロックが落ちてくる。ブロックが画面上端まで到達し、新たなブロックを落とせなくなったら負けとなる。

プレイヤーはブロックを回転させたり、移動させて落としたりしつつ、曲線をつないでいく。線が一周するループを作るか、フィールドの端まで線をつなげると、線を構成しているブロックを消すことができる。大きなループを作るなどして、一度に大量のブロックを消すと、相手に追加のブロックを送ることができる。

*『まつけけBurst!』


『OLLLO』と『まつけけBurst!』の2作品は、現時点でも「プチコン4 SmileBASIC」にて、作品のダウンロードをおこなうことによってプレイすることができる。今回Nintendo Switch向けソフトとして、スマイルブームが単独で商品化するかたち。

ちなみに「プチコン4 SmileBASIC」を用いて制作された作品がNintendo Switchに登場するのは今回が初めてではない。2021年には、北海道の人気ローカル番組「しんや一族」とコラボした対戦アクション『しんや一族 北海道おいしいもの争奪戦』がリリースされていた。スマイルブームの代表を務めている小林貴樹氏によると、この作品によって、プチコン作品の商品化の流れを確認することができたとのこと。


そして今回、ユーザーによるプチコン製作品の商品化対象タイトルとして『OLLLO』『まつけけBurst!』が同社内で選ばれたようだ。小林氏は、今後も良い作品があれば商品化を進め、個人開発者の支援をおこなっていくとしている。また海外作品の商品化や、コンテストなどで作品を募集し、優秀作品を商品化するという対応も考えているという。

なおNintendo Switch向けに商品化するにあたっては、「プチコン4 SmileBASIC」向けゲームとして制作するよりも使える画像領域やメモリといったリソースが大きくなる。そのためプチコン作品版から新機能や新ステージなどを追加するかどうかなどについても話し合って決めているそうだ。プチコンを知らないユーザーがプレイしやすくなるよう、ルール等の調整もおこなわれているという。

プチコン向けにはユーザー制作ゲームが現時点で2000作品以上あり、作りこまれたものや、素朴ながらも光るものも寄せられているそうだ。小林氏は今回の2作品の単独商品化および配信を機に、そうしたプチコン製作品の商品化を少しずつ進めていきたいとしている。Nintendo Switchでプログラミングを覚えてゲームを作り、商品化まで進められる道を示す施策であり、ゲームクリエイターを目指す子どもたちのモチベーションアップに繋がってほしいという想いもあるという。

ちなみに「プチコン4 SmileBASIC」については、小学校高学年以上を対象に、くもん出版から入門書籍として「Nintendo Switchで学ぶ!プログラミングワーク」が発売されている。気になった人は、プチコン作品を遊ぶだけでなく、書籍を活用しつつ制作に励んでみてもいいだろう。

『OLLLO』および『まつけけBurst!』はNintendo Switch向けに2月29日配信予定だ。また「プチコン4 SmileBasic」はNintendo Switch向けに発売中で、無料体験版も配信されている。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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