大人気の銀河大戦TPS『ヘルダイバー2』開発元トップ「対人モードは“絶対に”追加しない」と宣言。協力プレイでみんな仲良く楽しんでもらいたいから
『HELLDIVERS 2(ヘルダイバー2)』の開発元、Arrowhead Game StudiosのCEO・Johan Pilestedt氏は2月15日、本作には「PvP(対人)モードは“絶対に”追加しない」と表明した。同氏は本作では全員が楽しく、同じ立場で戦える環境を望んでいると説明。PvPモードの実装はそうした方針に反し、本作コミュニティに有害な言動をもたらすとの懸念があるようだ。
『HELLDIVERS 2』は、2015年に発売された『HELLDIVERS』の続編で、最大4人でのオンライン協力プレイに対応するTPSだ。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5。なお本作は、PC版とPS5版でのクロスプレイに対応している。
プレイヤーはエリート兵士ヘルダイバーとなり、銀河に平和と自由と管理民主主義を広める任務を遂行。故郷スーパーアースの安全を脅かすエイリアンとの戦いに挑む。チームで相乗効果を得られる装備を選び、各ミッションへの戦略を立て、目標を共に達成するのだ。プレイヤーには数多くの強力な武器が用意され、ロードアウトをカスタマイズ可能。そして任務を完了すると、プレイヤーの宇宙船をアップグレードでき、強力な武器を入手できる。また本作では、難易度の高い挑戦と協力を両立するためとして、フレンドリーファイアが常にオンになっている。
そんな『HELLDIVERS 2』に「PvPモード」を追加するかどうかについて、X上で開発元Arrowhead Game StudiosのCEOである Johan Pilestedt氏が発言。同氏はコミュニティから有害な要素を減らすためとして、PvPモードは“絶対に追加しない”と表明した。
発端となったのは、『Call of Duty』(以下、CoD)シリーズと本作のプレイ人口を比較した投稿。本作の同時接続プレイヤー数が『CoD』の2倍以上を記録している画像をもとに、「『CoD』を完全に圧倒した」とする内容だ。
XユーザーのEm氏がこの投稿に対し、ジャンルや開発規模の違いを指摘しつつ反論。対人戦がメインであり開発規模もAAA級(大規模開発)の『CoD』シリーズに比べて、本作『HELLDIVERS 2』は協力プレイのみで開発規模も少し劣るAA級であるとの考えを述べた。そうした点から、リリース直後の『HELLDIVERS 2』が、長い歴史をもつ『CoD』シリーズを一時的に圧倒していたとしても、今後数週間で立場が逆転する可能性があるとした。「『CoD』を完全に圧倒した」と判断するには早計だといった指摘だろう。
そんなEm氏の投稿に、Pilestedt氏は賛同を示している。同氏は本作はリリースされたばかりであり、長く愛される作品に育てるために全力を尽くすとした。一方で別のユーザーによる「本作にPvPモードを追加して欲しい」という声に対しては、「PvPモードは“絶対に”追加しない(We’ll “never” add a PvP-mode.)」と断言。『CoD』への対抗、あるいはコンテンツ拡張としてPvPモードを追加する予定はないようだ。
Pilestedt氏はPvPモードを実装しない理由について、プレイヤーコミュニティでの有害な言動を減らしたいからだと述べている。同氏には「PvPに由来して有害な言動が生まれうる」といった考えがあるようだ。さらにPilestedt氏は、現在ではPvPを提供している作品が数多くある点に言及。一方『HELLDIVERS 2』は、フレンドとともにPvEでやりがいのあるゲームプレイをしたい人たち向けの作品だとして、本作の協力ゲームとしての立ち位置を強調した。プレイヤーたち全員が同じ立場で、協力的に楽しく遊んでほしいという想いもあるそうだ。
差別やハラスメントなどの有害な言動については、対人要素のあるゲームやマルチプレイヤーゲームに限らず、コミュニティ内に生じることはある。とはいえ『CoD』シリーズをはじめ、特に対人シューターゲームではそうした行為への対策が頻繁におこなわれる作品が複数ある。対人シューターでは有害な言動が比較的多く生じる傾向もあるかもしれない。そうした状況もあってか同氏は、有害行為が生まれる要因のひとつを、プレイヤー同士の勝ち負けによりストレスが生じやすいPvP要素の実装にあると考えているようだ。また本作はプレイヤー同士の協力が押し出されていることもあり、PvEとしてのゲームプレイの個性を大事にしていくという方針もあるのだろう。