物語が進むとピクセル数が増えるゲーム『PPI』無料公開。「ドットひとつ」から始まる世界、恋愛・SF・哀愁などプレイヤー次第で物語は様変わり

鮫崎氏は1月30日、『PPI』を配信開始した。物語が進むにつれてドット絵グラフィックのピクセル数が増加していくマルチエンディングADVだ。

ゲームデベロッパーの鮫崎氏は1月30日、マルチエンディングADV『PPI』を発表した。本作はPC向けに、itch.ioにてユーザーが価格を決めるName your own price方式で配信されている。またBOOTHでも無料配布中。


『PPI』は、マルチエンディングADVだ。タイトルの『PPI』はPixel Per Inchを表しており、ゲーム序盤において「1センチあたりのピクセルの数を意味する用語。高ければ高いほど繊細な描写が可能になる」と説明されている。本作では説明にちなんで、物語の進行と合わせてピクセル数が増える仕様となっている。序盤においては“点”のみで描かれていた摩訶不思議な世界に“線”が登場し、その後“色”の概念が追加されていく。プレイヤーは物語の進行と共に詳細に描かれていく世界も楽しむことができる。

ゲームプレイはWASDで移動し、Eで決定するといったシンプルな操作方法で進行。本作には10種類のエンディングが実装されており、プレイヤーの選択次第で物語は多種多様な結末を迎える。なかには恋愛ゲームや横スクロール型のシューター的な要素が用意されている。語られる物語のテーマも恋愛・哀愁・コメディとさまざま。ひとつの選択肢から想像もつかなかったような結末を迎えることもあるようだ。なおダウンロード可能なファイル内には、一部エンディング攻略のヒントとして「hint.txt」が同梱されている。


『PPI』の開発を手がけるのは鮫崎氏。過去に人間ガチ犬化テキストADV『就労!!わんわんヒューマン』、短編ノベルゲーム『就労!アクマ・デ・カンパニー』などを手がけてきたインディーデベロッパーだ。また同氏は百合×怪異×探偵をテーマとしたノベルゲーム『4日後に死ぬ!』を手がけており、ニコニコ自作ゲームフェス2023に応募したことをXにて発表している。『4日後に死ぬ!』においては、ノベルゲームコレクションならびに、BOOTHからのダウンロードが可能となっている。

『PPI』は個性的なADV・ノベルゲームを手がけてきた鮫崎氏の新作として配信開始されたかたち。美麗に描かれるドット絵グラフィックも同氏の作品の持ち味であり、「ドット」そのものを題材にした特徴的な演出が光る一作となっている。


『PPI』はitch.ioにてName your own price方式で配信中。またBOOTHにて無料配布中となっている。少しずつ変化するピクセル世界の結末を見てみたい人は、ぜひ本作をプレイしてみてはいかがだろうか。

Mayo Kawano
Mayo Kawano

豪州在住の薬剤師およびにゲーム翻訳者。サバイバルクラフトゲームを主食として、ステルスゲームはデザートとする。

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