戦争の闇を描く怪作シューター『Spec Ops: The Line』Steam版が突如販売停止。楽曲ライセンスの問題か

Steamにて、TPS『Spec Ops: The Line』の販売が突然停止された。公式による説明はなく、また本稿執筆時点ではほかのプラットフォームでの販売は継続されている。

Steamにて、TPS『Spec Ops: The Line』の販売が突然停止された。公式による説明はなく、また本稿執筆時点ではほかのプラットフォームでの販売は継続されている。


『Spec Ops: The Line』は2012年に発売されたTPSだ。本作にはYAGERが手がけたキャンペーンモードと、Darkside Game Studiosが開発したマルチプレイモードが収録。キャンペーンモードの舞台となるのは史上最大級の砂嵐に襲われたドバイ。未曽有の大災害に際して救助任務に就いていたコンラッド大佐率いる33部隊からの連絡が途絶えてしまう。主人公となるウォーカー大尉ら3名のデルタフォース隊員はコンラッド大佐の生死を調査すべく、砂嵐に見舞われるドバイへと派遣される。

本作はSteamでは本稿執筆時点で約5万2000件中93%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。キャンペーンモードにおける、紛争のむごさおよび兵士たちの精神面の苦悩を描く凄惨な描写やストーリー展開などが評価を獲得している。一方セールスは振るわなかったようで、開発における精神的疲労もあってか過去には開発者がユーザーの質問に答えるかたちで続編が制作されない理由を説明する一幕も見られた(関連記事)。


今回、そんな本作のSteam版が突如販売停止となった。Steamストアページは残されているものの、新たに購入することができなくなっている。本稿執筆時点では販売元2K Gamesなど公式から本作Steam版が販売中止となった点についての案内はなく、販売停止となった理由は不明だ。

なおSteamの本作フォーラム上ではユーザーにより、作中での使用楽曲のライセンスが原因ではないかとの推察が投じられている。本作ではJimi Hendrix、Deep Purple、Alice in Chainsといった人気アーティストの楽曲が使用されている。そうした楽曲のライセンス切れが原因で、Steam版の販売が中止された可能性はある。

一方でGOG.com向けのPC版、および海外向けにはXbox One/Xbox Series X|Sの後方互換機能向けのXbox 360版が引き続き配信されている。現状ではSteam版のみが配信停止となっているかたちであり、今後配信再開となるか、あるいはほかのプラットフォームでも同様の対応となるかどうかが注目されるところだ。

『Spec Ops: The Line』はPC(GOG.com)、および海外向けにはXbox One/Xbox Series X|Sの後方互換機能向けのXbox 360版が配信中。GOG.comでは日本時間2月6日16時59分まで80%オフとなる5.99ドル(約900円)でセール中だ。Steam版は本稿執筆時点で新たな購入が不可能となっている。

【UPDATE 2024/1/31 8:55】

ゲームジャーナリストのStephen Totilo氏が2K Games担当者の声明として伝えるところによると、『Spec Ops: The Line』に関する複数のパートナーシップライセンスが期限切れとなるため、オンラインストア上での販売が終了されるとのこと。ただし購入者は引き続きゲームをダウンロードしてプレイできるそうだ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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