『Undertale』の大ボリューム二次創作ゲーム『Undertale Yellow』無料配信後1か月で35万ダウンロード突破。開発7年以上、執念のファンメイド

『Undertale』の前日譚を描くファンメイド作品『Undertale Yellow』が昨年2023年12月10日にリリースされた。35万ダウンロードを突破したことが報告されており、人気を博しているようだ。

『Undertale』の前日譚を描くファンメイド作品『Undertale Yellow』が昨年2023年12月10日にリリースされた。対応プラットフォームはPCで、Game Joltにて無料配信されている。先日1月10日には35万ダウンロードを突破したことが報告されており、人気を博しているようだ。


『Undertale Yellow』は『Undertale』をもとにしたファンメイド作品だ。同作の前日譚を描いている。主人公のCloverは、『Undertale』の物語以前に地底の世界に落ちたカウボーイのような装いのニンゲンだ。遺跡(Ruins)のさらに地底にあるDark Ruinsに落ちたCloverは、フラウィと共に冒険を繰り広げることになる。

『Undertale Yellow』は“本家”である『Undertale』と同じくゲームエンジンにはGameMakerが用いられている。グラフィックやゲームプレイは基本的には『Undertale』と同様で、立ちはだかる敵に対し、たたかう(Fight)やこうどう(Act)といったコマンドで対処していく。また敵によって多種多様な攻撃を、タマシイ(ハートマーク)を動かして避けるシステムも踏襲されている。

またフラウィなど本家『Undertale』の一部キャラクターも登場。一方で先述のDark Ruinsのほか、西部劇を思わせる荒野などのオリジナルのロケーションも用意され、本家の二次創作として前日譚が展開される。

本作を手がけるのはMasterSwrdRemix氏が率いるTeamUTY。同氏がディレクター、ライター、作曲を担当してきたそうだ。本作は2016年に発表され、7年以上にわたって開発が進められてきた。そして2023年12月10日、本作は満を持してリリースに至った。1か月を経た2024年1月10日には、35万ダウンロードを突破したことが伝えられている。大台達成の報告に、ユーザーからは祝福が寄せられている。


人気作『Undertale』をもとにした、大ボリュームの無料二次創作ゲームという点もあり、注目を集めて多数のダウンロードに繋がったかたちだろう。またユーザーからの好評も寄せられており、本家の持ち味を受け継いでいる点のほか、オリジナルキャラや物語も評価を受けている。戦闘や音楽も含め、7年以上にわたり制作されてきた随所へのこだわりも好評のようだ。

なお『Undertale Yellow』では、当初タイトルロゴや使用楽曲の権利を巡る課題を抱えていたようだ。本家『Undertale』の楽曲の権利を管理するMateria MusicのCEOであるSebastian Wolff氏が、『Undertale Yellow』では本家のタイトルロゴや一部楽曲を無断で使用しているため、ライセンス取得が必要であるといった指摘をおこなっていた。こうしたトラブルについては本家開発者であるToby Fox氏も交えての話し合いがおこなわれたそうで、問題は解消に至ったようである。


『Undertale Yellow』のXアカウントがToby Fox氏の声明として伝えるところによると、同氏はファンメイド作品のクリエイターに対して権利を巡る争いを仕掛けることはプロのやり方ではないとの見解を説明。権利元や開発者はファンが善意から犯してしまった過ちを正す手助けをすべきであり、さまざまな方法でファンの愛や情熱をサポートすべきだとの考えを伝えている。またトラブルに発展した“お詫び(apology)”として、『Undertale Yellow』開発チームが選んだ慈善団体AbleGamersに2万ドル(約300万円)の寄付がおこなわれたそうだ。


なおToby氏は声明の最後に、『Undertale』の楽曲に関しては、より明確なガイドラインを作成して適切なライセンス取得方法に関するより良い情報を提供したいとも表明している。本家の楽曲などのコンテンツを濫用するようなかたちでなければ、ファンメイド作品を歓迎するToby氏の姿勢もうかがえる。

ちなみに先日1月16日には、Reddit上の『Undertale』コミュニティにて別のファンメイドゲーム『Undertale Blue』の開発が本格的に始動したことが伝えられた。開発を手がけるのはTeam Azure。同作も本家『Undertale』以前の物語を二次創作する内容で、地底世界に落ちたニンゲンであるGraceの物語が描かれるという。『Undertale Yellow』の成功を受けて二次創作コミュニティが活発化を見せる様子も見られ、今後の動向も注目されるところだろう。

『Undertale Yellow』はGame JoltにてPC向けに無料配布中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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