「ウォーキング・デッド」人狼系ゲーム『The Walking Dead: Betrayal』、早期アクセス配信中ながら開発中止&サービス終了。『Project Winter』開発元でも難しかった

 

パブリッシャーのSkybound Gamesは12月8日、現在Steamにて早期アクセス配信中の『The Walking Dead: Betrayal』の今後の開発を中止すると発表した。また、本作を購入したユーザーに対して、プレイ時間にかかわらず返金を実施すると告知されている。現地時間12月11日よりSteamからの本作取り下げが始まり、現地時間12月15日にはゲームサービスが停止されるとのこと。


『The Walking Dead: Betrayal』は人気ドラマシリーズ「ウォーキング・デッド(The Walking Dead)」を題材とした5~8人用の協力型サバイバルゲームだ。開発は人気人狼ゲーム『Project Winter』などを制作したOther Ocean Interactiveが手がけている。本作でプレイヤーたちは協力して、ゾンビがはびこる危険地帯から脱出することを目指す。ただしプレイヤーの中には脱出を阻もうとする、“裏切り者(Traitor)”が存在。生存者と裏切り者にわかれたプレイヤーにより、心理戦が繰り広げられる作品だ。

今回の発表によれば、本作の開発が中止されるとのこと。パブリッシャーと開発元による真剣な議論の結果、開発をやめることが決定されたという。開発元は本作開発において大きな労力を払っていたものの、当初描いたビジョン通りの作品に仕上げることができなかったとのこと。現地時間12月11日をもって本作はSteamからの取り下げが進められ、現地時間12月15日にはゲーム自体がシャットダウンされるという。マルチプレイサービスなどが停止されるのだろう。


また、開発停止に伴い本作の返金ポリシーについても告知されている。『The Walking Dead: Betrayal』を購入した全ユーザーについて、これまでのプレイ時間にかかわらず返金を実施しているとのこと。現在Steam側から返金が却下されてしまう現象が起きており、現在調査中とのこと。なお、本作は国内向けには税込1266円で販売されている。

本作は2023年9月15日にSteamにて早期アクセス配信を開始。リリースと同時に期間限定無料プレイを実施したこともあり、ピーク時約900人のSteam同時接続ユーザーを集める滑り出しとなっていた。しかし、週明けにはプレイヤー数は毎日ピーク時30人前後に激減。最近では、ピーク時でもプレイヤー人口が1桁の状態が続いており、マッチングが困難な状況が発生していたようだ(SteamDB)。

Steamユーザーレビューにおいては、本稿執筆時点で113件のレビューが寄せられ、うち好評は53%に留まる「賛否両論」ステータス。バランス調整に問題があるといったユーザー指摘の傍ら、「人数さえ集まれば楽しい」といった声も寄せられていた。今回の開発中止決定は、プレイヤー人口も作品評価も苦戦している状況を鑑みての判断だったのだろう。Other Ocean Interactiveといえば、『Project Winter』をリリースし名をあげたが、同作のような盛り上がりにはできなかったようだ。


『The Walking Dead: Betrayal』は現地時間12月11日よりSteamからの本作取り下げが始まり、現地時間12月15日にはゲームサービスが停止されるとのこと。ユーザーへの返金も実施されている。