個人開発者が「昨日の売上は約900円だった」と報告し“祝福”集まる。インディーゲームにとって大きな勝利

個人デベロッパーのVuVuu氏による一風変わった報告が注目を集めている。11月21日のSteamでの売上が6ドル(約896円)だったという。

個人デベロッパーのVuVuu氏による一風変わった報告が注目を集めている。11月21日のSteamでの売上が6ドル(約896円)だったという。

『Entomophobia』


VuVuu氏は米国に拠点を置く個人デベロッパーだ。これまでにSteam向けには見下ろしサバイバルアクション『Last Hope』、ローグライク見下ろしSTG『Entomophobia』といった作品をリリース。『Entomophobia』は本稿執筆時点のSteamユーザーレビューの13件中100%が好評とする「好評」ステータスを獲得している。また2023年7月には、シンプルな街づくりゲーム『Otok』がリリースされた。

VuVuu氏はSteam上で3作品を展開してきたものの、その売れ行きが芳しくない日もあるようだ。同氏はXアカウントにて定期的にSteamの販売者向けの売上報告画面と見られるスクリーンショットを投稿。日によっては数十ドルを売り上げていることを伝えてきた。そんななかで注目を集めたのは11月22日の投稿だ。同氏は前日の売上が6ドルだったと伝えている。なお同氏の作品の定価は『Last Hope』が0.99ドル、『Entomophobia』が2.99ドル、『Otok』が4.99ドル。どのような内訳かは不明ながら、複数の作品あるいは複数本が購入されたようだ。


VuVuu氏の投稿にはささやかながら作品が売れたことを祝福する言葉が寄せられており、中には同氏の作品を購入したという報告も。また同じくインディー開発者だというAustin Lothman氏も返信。小さな数字ながらインディー開発者にとっては大勝利であると伝えている。VuVuu氏も、毎日少しでも売れればモチベーションに繋がるとこれに賛同。6ドルは日本円にして約900円という控えめな売上ながら、インディー開発者にとっては大きな意味をもつようだ。

なお上記の投稿は『DUSK』などの開発者として知られるDavid Szymanski氏によって引用。引用ポストは本稿執筆時点で約3700件のいいねが寄せられており、注目を集めるきっかけになったようだ。なおDavid氏は『Otok』をフォロワーにおすすめしており、これもVuVuu氏の作品の売上を引き上げたかもしれない。


ちなみにVuVuu氏はその1時間後にSteamオータムセールにて3作品がセール対象となったことを報告。その後は27ドル(約4000円)、39ドル(約5800円)と順調な売れ行きが報告されており、セールでの値引きに加えて上記ツイートが一定の注目を集めたことも功を奏したようだ。

インディー開発者にとって、プレイヤーに作品を知って遊んでもらうことは大きな意味をもつだろう。インフルエンサーにゲームコードを送って紹介してもらう、Steam Nextフェスで体験版を配信する、といった施策が成功につながる場合も見られる。今回はVuVuu氏の「X上で売上を報告し続ける」という一風変わった習慣が注目を集めたかたち。同氏の新たな作品展開や、今後の売上報告の推移にも注目したい。

Last Hope』『Entomophobia』『Otok』はそれぞれPC(Steam)向けに配信中。Steamオータムセールの対象となっており、11月29日までセール販売中だ。3作品をあわせたバンドルも販売されている。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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