モバイルゲームは約80%が3年以内にサポート終了するとの海外調査報告。リリースで精一杯、売り続ける難しさ


市場調査会社SuperScaleは11月22日、米国・英国のモバイル向けゲームのデベロッパーに向けておこなわれた調査の結果を公開した。約83%のゲームが3年以内にサポート終了になるといった回答など、興味深い調査結果が報告されている。


SuperScaleが公開したレポート「Good Games Don’t Die」では、米国および英国の504社にモバイル向けゲームデベロッパーを対象にした調査結果が報告されている。なお同レポートでの調査は米国の251社および英国の253社に対し、10月6日から12日にかけておこなわれたという。選択式だけでなく自由回答も含むさまざまな質問が用意されていたそうだ。

調査の結果、対象となったデベロッパーからは43%ものモバイル向けゲームがリリース前に開発中止になっているとの回答が得られたという。また日の目を見ないゲームの多さからか、86%がアプリストアでリリースさえできればプロジェクトは成功だと回答したそうだ。

一方でほかの回答からは、リリース後にもモバイル向けゲームが存続することが難しい状況も垣間見える。回答によれば、半年以内にサポート終了するゲームは17%、1年以内にサポート終了するゲームは約半数の47%とされている。そして3年以内にサポート終了となるゲームは83%まで膨れ上がるという。また売上のピークはリリース後1年以内に迎えることが多いそうで、2年目以降に売り上げのピークを記録するゲームは4%にとどまるとされている。そのような背景もあってか、デベロッパーの78%はすでにリリースしたゲームではなく新作開発に取り組みたいとの回答を寄せていたそうだ。

なお調査では32%のデベロッパーが10月からの過去12か月間でレイオフをおこなったと回答し、そのうち27%では恒久的な人員削減がおこなわれたという。こうした調査結果を見るに、モバイル向けゲームでは長期にわたりサポート・サービスを続けていく難しさもうかがえる。


一連の報告は先述のとおり米国・英国のデベロッパー向けにおこなわれた調査に基づいているものの、国内の運営型モバイル向けゲームのサービス終了までの期間については同様の傾向が見られるようだ。運営型モバイル向けゲームの情報を収集する怪しい隣人氏によると、同氏が観測したデータ範囲内では今までにサービス終了したゲームは約1800作以上にのぼるという。そして、そのうち約73%が3年以内にサービス終了しているとの回答を得られた。

なお市場調査会社Sensor Towerによると、2022年には世界市場でも国内市場でもモバイル向けゲームのアプリ内課金(IAP)収益が下落傾向を見せたという。一方2023年からはいずれの市場でも上昇基調に転じることが見込まれており、モバイル向けゲーム市場そのものは依然として好調といえそうだ。しかし今回のSuperScaleの調査報告を見るに、新たなモバイル向けゲームを継続してサポートする困難さも垣間見える。モバイル向けゲーム市場においても、既存の人気作のサポートが続く傍らで、新たな作品が現れては消えていくといった状況はあるようだ。