とあるゲームパブリッシャー、新作ゲームが売れ「YouTuberの実況がなかったが、成功できた」との旨を述べて物議醸す。のちに敬意が足りなかったとして謝罪

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デベロッパーのCheesemaster Gamesが手がけた風呂屋経営ゲーム『Spirittea(スピリットティー)』について、販売を担当したNo More Robotsの代表Mike Rose氏は先日、早々に大きな成功を収めたことを自身の分析を交えて報告。そのなかではYouTuberとの関係についても言及していたが、それが物議を醸している。

本作は、田舎暮らしをしながら風呂屋を運営するライフシミュレーションゲーム。プレイヤーは、日本風のとある田舎町で日々の生活を送りながら、妖怪ともいえる精霊のための風呂屋を営む。この町には悪さをする精霊が存在し、改心させると風呂屋のお客になってくれる。そして、風呂屋を訪れる精霊たちをもてなすため、さまざまな仕事をこなすのだ。


『Spirittea』は、PC/Xbox One/Xbox Series X|S版が11月14日に、Nintendo Switch版が日本では11月16日に発売。それから1週間が経った11月21日に販売元No More Robotsの代表Mike Rose氏は、本作の収益が100万ドル(約1億5000万円)に達し、開発費の3倍の利益を得たことや、累計プレイヤー数が15万人を記録したことなどを報告した(関連記事)。

このなかでRose氏は、本作のローンチ時期にはYouTube上でまったく取り上げられなかったとコメント。YouTuberに宣伝してもらわなくても成功を収めることができた、という趣旨のようだ。この点に関しては、本作の動画を制作するとしてYouTuberが売り込みをしてきたことはあったが、すべて拒否していたことも明らかにした。

同氏は、YouTuberにお金を払ってゲームを紹介・宣伝してもらうことには興味がないそうで、「奇妙で不快なことだし、誠実でもない(It feels weird and icky and disingenuous)」とまで述べている。ただ、こうしたコメントが物議を醸すこととなった。


Rose氏のコメントに対しては、特にYouTubeなどで活動する実況配信者が反発の声を上げている。たとえばYouTuberのMayor Mori氏は、コンテンツクリエイターたちもビジネスとして動画制作・配信をしていると指摘。また、Rose氏は本作はYouTubeでまったく取り上げられなかったと述べたが、実際には著名チャンネルを含めいくつかの動画が投稿され、また本作の発売前には体験版のプレイ動画が多く投稿されていた事実も多数指摘されている。

今回のRose氏の発言は、コンテンツクリエイターの仕事を否定するかのように映ったようだ。また、YouTuberにお金を払わなかったからまったく取り上げられなかったとも受け取れる部分は、販売元から報酬を得るわけでもなく時間を割き動画を投稿した実況配信者の存在・貢献を無視したかたちとなり、批判の声が多く上がることとなった。

これを受けてRose氏は11月23日、自身の考えが誤っていたとして謝罪。コンテンツクリエイターの仕事がもたらす価値を認めているが、先の投稿はそれをうかがえるものではなかったとした。また、寄せられたコメントに目を通し、学びを得て、今後はもう少しマシな人間になると反省の弁を述べた。


パブリッシャーとして、販売するゲームを宣伝するための資金を何に振り分けるかは自由であり、YouTuberに依頼しないというのもひとつの判断だろう。ただこのたびのMike Rose氏の発言では、実況配信者らコンテンツクリエイターを刺激し反発を呼んだようだ。結果として販売元No More Robotsだけでなく、『Spirittea』の評判をも落としかねない状況となり、謝罪に追い込まれる格好となった。Rose氏は、自らの経験を通じて得たインディーゲーム販売の知見を惜しみなく共有する人物として知られるが、今回はある種の反面教師となってしまったようだ。

『Spirittea(スピリットティー)』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Nintendo Switch/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中。Xbox/PC Game Pass向けにも提供されている。またSteamとNintendo Switchでは体験版も配信中だ。

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