都市開発シム『Cities: Skylines II』各種DLCは配信延期へ。パフォーマンス改善に最優先で取り組む

Colossal Orderは11月20日、『Cities: Skylines II』に向けた今後の開発方針の詳細を明らかにした。DLCの配信予定時期が延期され、当面はパフォーマンス改善や不具合修正に主眼を置いて開発が進められていくことなどが説明されている。

デベロッパーのColossal Orderは11月20日、『Cities: Skylines II』に向けた今後の開発方針の詳細を明らかにした。DLCの配信予定時期が延期され、当面はパフォーマンス改善や不具合修正に主眼を置いて開発が進められていくことなどが説明されている。


『Cities: Skylines II』は、高い評価を得た都市開発シミュレーションゲーム『Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)』の続編だ。プレイヤーは居住区やインフラなどを整備し、さらに産業を活性化させながら街を一から建設。市民の生活や経済などが複雑にシミュレーションされ、それらのニーズや状況変化に対応しながら街を発展させていく。本作は発売前に「目標とするベンチマークに達しないまま」リリースされることが告知されていた。結果として本作は最適化不足という課題を抱えたままのスタートとなり、発売後にはパフォーマンス問題を中心に報告が寄せられている。

そうした状況を受けて、Colossal OrderのCEOを務めるMariina Hallikainen氏は「Word of the Week」という取り組みを発表した。透明性を確保するためスタジオの取り組みや計画を公式フォーラム上で毎週明かしていくことを表明。そして今回投稿されたWord of the Weekの第4回では本作に向けた今後の開発方針が詳細に明かされた。


まず本作に向けては発売後毎週のパッチ配信がおこなわれてきたが、今後はもう少し長めの間隔でパッチが配信されていくとのこと。早急におこなうことのできる修正を終え、現在は作業量の必要な問題に対応しているためだそうだ。なお次回のパッチの配信時期は本稿執筆時点では未定。計画されているパフォーマンス改善について実装の目途が立ち次第案内されるようだ。

またパフォーマンスの改善については現状最優先で取り組まれているとのこと。不足しているLOD(Level of Detail)の実装や既存のLODを調整し、GPUパフォーマンスを改善していくという。またCPUパフォーマンスの向上に向けても対処されていくそうだ。ほか、不具合修正は二番目の優先順位が付けられている。現状ではユーザーから寄せられた不具合報告をもとに再現可能な不具合が100件確認されたといい、調査が進められているそうだ。


たとえば本作の郵便システムは複数の致命的な不具合によって、全体的に想定外の挙動を見せているという。郵便物が本来のように配達されなかったり、郵便物の仕分けが上手くおこなわれなかったり、郵便局の車両が郵便物を配達せず回収しているだけだったりとさまざまな問題が見られるという。不具合が特定され修正が進められているものの、システム全体を再テストし、QA(Quality Assurance)をおこなったうえで修正が反映されるかたちになるそうだ。また都市への引っ越しに先がけて賃貸契約を結んだ市民が「都市にいないのに企業から仕事を受けてしまう」問題も対応が進められているとのこと。都市で実際に住んでいる市民と、そうでない市民を明確に区別できるような仕組みが検討されているそうだ。

そのほかModエディター/Mod制作サポート実装にも取り組んでいるという。現在ベータテストグループに向けて試験運用されており、リリースに向けてフィードバックに基づく改善がおこなわれていくとのことだ。

また今回の投稿ではPC版が開発チームの望むような水準に達した後で、コンソール版のリリースやDLCに集中して取り組まれていくことも明かされた。特にDLCについては当初予定されていたスケジュールどおりの配信は断念されたという。本日11月21日にはDLCについてのロードマップも更新。まず2023年第4四半期に配信開始予定であったDLC「Beach Properties Asset Pack」および「Deluxe Relax Radio Station」は2024年第1四半期に延期。あわせて当初2024年第1四半期の配信が予定されていた「Urban Promenades」「Modern Architecture」「Soft Rock Radio」は2024年第2四半期に延期となっている。

*以前のロードマップ
*更新後のロードマップ

リリース後にパフォーマンス問題だけでなく不具合も報告されている状況にある『Cities: Skylines II』。DLCやModエディターの開発もおこなわれているものの、当面はパフォーマンス改善と不具合修正の二つを主眼に置いた対応が進められていくようだ。

『Cities: Skylines II』は、PC(Steam/Microsoft Store)向けに発売中。PC Game Pass向けにも提供されている。またPS5/Xbox Series X|S向けには来年春発売予定だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

記事本文: 2636