Steamにて“圧倒的に不評”なホラーゲーム公式、進行不能バグに対処し「遊んでみて」と呼びかけ。拭いきれない不評を受けてもなお汚名返上を図る
パブリッシャーのSCRYsoftおよびデベロッパーのNimbus Gamesは11月17日、『怨念(MALICE)』に関して声明を発表。本作がSteamユーザーレビューの全てのレビューにて「圧倒的に不評」ステータスとなっている点に言及している。声明によればアップデートによりリリース当初の不具合などは解消され、最近のレビューでは評価が持ち直しているという。同作の“汚名返上”を図る声明のようだ。
『怨念』は、一人称視点の2人協力プレイ専用ホラーゲームだ。舞台となるのは日本。謎めいた寺を訪問していた2人組の旅行者は、突如起こった地震により地底に落下してしまう。そして2人は地底にある謎の屋敷に迷い込むことになる。不気味な仕掛けや幽霊たちの蔓延る屋敷からの脱出を目指すのだ。
本作では2人のプレイヤーが協力しながら屋敷の中を探索。屋敷にはさまざまな謎解きが用意されており、探索中に拾ったアイテムを活用しながら進むことになるだろう。また2人プレイならではのさまざまなギミックも用意。2人が別々に進む場面もあり、得た情報をもう一方に伝えながら進むような協力も求められる。
本作は2022年11月3日にリリースされた作品だ。Steamユーザーレビューの全てのレビューでは、本稿執筆時点で762件中好評が16%にとどまる「圧倒的に不評」ステータスとなっている。Steamが公開しているグラフを確認すると、リリース当日には実に521件もの不評が集まっていることがわかる。
本作では当初、進行不能となるバグも報告されていた。不評とするレビューにもそうした点を指摘する投稿は見られる。一方で開発元の声明では、そうした問題の解決に取り組んだとコメント。また、不評の多くは「2人プレイのVPN接続」にまつわる不具合に起因しているとの見解が示されている。
オンライン2人プレイが必須となる本作では、中国などの一部の地域のプレイヤーがVPN接続で本作をプレイしていたという。ただ当初はVPN接続を介した場合には、ゲーム内で2人のプレイヤーの同期がうまくいかなかったそうだ。この問題によってプレイできなかったユーザーにより、多数の不評が投じられていたとのこと。なお本作のSteamユーザーレビューを見ると簡体字ユーザーによる投稿が大半を占めている。発売当初に「オンライン必須なのにオンラインプレイできない」といった報告が、いわゆる“レビュー爆撃”のようなかたちで多数投じられていたことがわかる。
一方で開発元は、発売後に一連の問題の解消に取り組んできたという。本作には発売から今年4月にかけてアップデートが重ねられ、さまざまな不具合修正・調整がおこなわれてきた。そして声明によると、最近ではユーザー評価にも変化が見られるそうだ。最近のレビューでは、31件中70%が好評として投じられていたという。開発元も現状の本作には自信をもっているようで、声明では「ぜひもう一度プレイして楽しんでもらえたらと思います」と綴られている。
本作はこれまでアップデートを重ね、直近のユーザーレビューでは好評も増えているとされるものの、発売時に数多く寄せられた不評による「圧倒的に不評」ステータスを覆すことは困難なようだ。そうした状況でも過去の汚名を拭い去ろうと、今回の声明が発表されたかたちかもしれない。
なおNimbus Gamesは現在、新作『千代(Chiyo)』を2023年第4四半期のリリースを目指して開発中。江戸時代を舞台にする一人称視点の和風ホラー脱出パズルゲームで、本作と世界線を同じくしているという。同様の世界観・ゲームプレイの新作ということで、本作で培われたノウハウも活かされていそうだ。なおこちらはシングルプレイ向けゲームになるといい、現在デモ版も配信中。気になる人は遊んでみるといいだろう。
『怨念(MALICE)』はPC(Steam)向けに発売中だ。