『CoD: MW III』開発スタジオトップが「開発期間が短すぎた」とする報道をやんわり否定。“ついで”や“代わり”ではなく、じっくりと作りあげた一作との主張

 

Sledgehammer Gamesは11月10日、『Call of Duty: Modern Warfare III』(以下、CoD: MW III)公式Xアカウントにて同スタジオの責任者Aaron Halon氏のコメントを発表した。コメントでは、海外メディアBloombergによって報じられていた開発期間の短さや、もとは前作『Call of Duty: Modern Warfare Ⅱ』の拡張版として開発されていたとする記事について、間接的に否定した。


『CoD: MW III』は、2022年発売のFPS『Call of Duty: Modern Warfare II』(以下、CoD: MW II)の続編。開発はInfinity Ward の協力のもと、Sledgehammer Gamesが主導で手がけている。キャンペーンモードおよびマルチプレイモードが用意され、キャンペーンモードでは前作直後の物語が展開。戦闘においては新システム「タクティカルスタンス」が導入され、腰撃ちとADS(覗き込み)の中間の精度で射撃が可能に。ロードアウトのカスタマイズも拡張される。ガンスミスにはアフターマーケットパーツというカスタム要素が登場するなど、新要素がさまざま追加されている。

本作はリリースされてまだ間もないが、評価はあまり芳しくない。というのも装備が前作『CoD: MW II』が引き継げたり、マルチプレイにおいても前作のマップが多く登場していたりなど、前作の流用部分が多いとされており、そこが不評の理由のひとつとなっているようだ。Steamユーザーレビューでも新規コンテンツの少なさが指摘されており、全3027件中28%が好評とする「やや不評」ステータスとなっている。

“流用”が多くなってしまった理由として、海外メディアBloombergが関係者からの情報としてSledgehammer Gamesの内情を記事として報じた。記事では、内部関係者が匿名を条件に内情をコメント。もともと本作が前作『CoD: MW II』の拡張版として作られる予定で、急遽新作『CoD: MW III』として作られることとなったとしている。そのため開発期間が短く1年半程度で制作されたとも述べた。


そしてSledgehammer Gamesは11月10日、公式Xアカウントにてスタジオ責任者で本作のディレクターでもあるAaron Halon氏からの声明を投稿した。直接の言及はなかったものの、先述のBloombergの報道を受けて、反論としての声明がなされたかたちだ。声明では、開発チームは何年もかけて作りあげたビジョンを実現するために懸命に働いてきた、と「1年半足らずで開発された」とされた報道内容を間接的に否定した。

また前作『CoD: MW II』から多くが流用され、前作の拡張版として作られた、という内容についても反論。前作を完成させるずっと前より、ユーザーからの要望として、同じシリーズをもっと長く一緒に遊びたいという声を聞いていたといい、その結果引き継ぎ機能(Carry Forward)を実装した、と説明した。


Bloombergの元記事は、Sledgehammer Gamesの関係者などから直接否定するコメントもあったものの、今回のHalon氏の声明によって、改めて報道の内容が否定された格好だ。とはいえ、ゲームの内容としては、新作が出たにもかかわらず前作要素が目立ってしまうと、プレイするにあたって物足りなく感じてしまう点もあるかもしれない。

なおHalon氏は投稿のなかで、次の1年間で予定している『CoD: MW III』コミュニティ向けのコンテンツについて、ローンチにおけるゲーム体験とあわせて「非常に誇りに思っている(We’re incredibly proud of Modern Warfare III)」と述べた。詳細の情報はまだ公開されていないものの、今後のアップデートによって新コンテンツが多く追加されていくことに期待したい。

Call of Duty: Modern Warfare III』はPC(Steam/Battle.net)およびPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中だ。